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last update Terakhir Diperbarui: 2025-12-03 06:00:30

 半年後。

 柔らかな日差しが降り注ぐチャペルのステンドグラスが、虹色の光を床に散らしていた。

 季節が変わる間に、私と蓮司の関係も、ぐっと深く濃く変わった。

 新居での生活にもすっかり慣れ、毎日の朝食や夕食を一緒に食べるのはもう当たり前になった。

 そして今日——

 偽装婚として始まった関係は、本物として永遠の形になる。

「準備はよろしいですか?」

 ドレススタッフの声に振り向く。

 鏡の中には、少し照れたように微笑む花嫁が映っていた。純白のドレスは身体にぴたりと馴染み、胸元のレースが静かに揺れている。

 その姿を見たお母さまが、目元を指先でそっと押さえた。私のお母さんとも打ち明け、2人は仲良くなってしまった。そして師匠も駆けつけてくれた。私には3人もお母さんがいる。最高に幸せだ。

「……ひかりさん。とても綺麗よ」

「ほんと……」

「素敵な人と再婚できてよかったわねぇ……」

 母は口々に歓びの言葉を口にする。ありがたい。心配してくれていたもんね。

「ひかりさん。あなたのおかげで蓮司は変わったわ。それに御門家も。古風で凝り固ま

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  • 捨てられ妻となったので『偽装結婚』始めましたが、なぜか契約夫に溺愛されています!   127

     白のタキシードが驚くほど似合っていた。  背筋を伸ばし、凛とした男らしさを纏いながらも、その瞳だけは私へ向けるときだけ見せる甘さを帯びている。 歩み寄るほど、蓮司の視線が私をすべて受け止めるように優しく細まり——  ついには、息を呑むような小さな声音で囁いた。「……ひかり。綺麗すぎる」「蓮司こそ……格好良すぎ」 伸ばされた手に、自分の手をそっと重ねる。  触れた瞬間、ひんやりとした指輪が指先を撫で、半年間の出来事が胸の奥で光に変わった。「式を始めます」 司祭の声がしんと響く。  参列席には、私たちの人生で出会ったすべての人の笑顔。  だけど

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    「おろすぞ。ゆっくりな」 蓮司がキッチンの椅子に私をそっと降ろす。  まるで壊れ物でも扱うみたいに優しい動作で、胸がじんと温かくなる。「蓮司……そんなに気を遣わなくていいのに」「無理だ。今のお前をひとりで歩かせる方が不安だ」「……昨夜の原因の半分は蓮司だからね?」「半分じゃない。九割九分九厘俺だよ」「自覚あるんだ……!」「あるとも。だから今日は俺が全部やる」 そう宣言すると、蓮司はトースターの前に立った。  寝癖が少し残っている後ろ姿なのに、妙に格好良くてずるい。「はい、本日の朝食は——俺特製の押すだけトーストです」「名前ひどすぎない? せめて『御門家のモーニング』とか言ってよ」

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     感情溢れた蓮司に抱きしめられ、ぐっと奥まで入ってこられた。  肉を打つ音が寝室に卑猥に響き、甘い声が抑えられない。 互いの名を呼び合い、愛を交わし、蕩けていく。「蓮司」 「ひかり」  大好きな旦那様の剛直に貫かれる。  肌を重ねることが、こんなに愛しくて切なくて幸せだと感じたことがなった。  夫の名を呼び、ぎゅっと手を握りしめてふたりで果てる。 なんども絡み合い、ふたりで乱れ、蕩ける夜を過ごした。 翌朝。朝の光がやわらかく差し込み、枕元の空気を金色に照らしていた。  昨夜の余韻がまだ身体の奥に静かに残っていて、動くたびにじんわりと温かさが広がる。 隣を見ると蓮司が薄く笑っていた。 寝起きの癖に、妙に余裕のある顔をしている。「おはよう、ひかり」「ん……おはよう。なんでそんな見てるの?」「いや。可愛いなと思って」「朝からハードル高い言葉やめてよ」 冷徹男だとばかり思っていたのに、激甘男の間違いだった。「事実だから仕方ない」 さらっと言って、私の頬に指を沿わせる。  その優しい触れ方だけで、胸がぎ

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    「ンっ……」 甘い声が鼻から抜けていく。蓮司に優しく体に触れられ、息が乱れていく。 期待を込めて顔を上げると、彼の瞳には、私がしっかりと映っている。  私も同じ。蓮司が映っている。「これから先、どこへ帰ってもいいけど──」 頬に指を沿わせ、蓮司は優しく囁く。「最後に帰る場所は、必ず俺の隣にしてくれ」 胸がぎゅっと締めつけられ、涙が零れそうになる。「うん。約束する」「じゃあ──今日も新婚の夜を楽しもうか」「お手柔らかにお願いします」 腕を絡めてキスを交わす。唾液が絡まり、2人の舌がもつれる。  大きな腕が包み込み、鼓動が耳元で一定のリズムを刻む。  優しくて、温かくて──もう、離れたくなかった。「ひかり」

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     実家でのドタバタ楽しい食事タイムを終え、お母さまとシリウスに惜しまれつつもマンションに戻った。泊っていけばいいのに、としきりにい言われたけれども、蓮司がひとこと。『俺たち新婚なんだから邪魔しないでくれよ』なんて言っちゃったものだから!! お母さまに生温かい目で見られた挙句、うふふ、と微笑まれてしまったのよぉぉっ!!  なんてことッ!! 恥ずかしすぎるっ!!!! 鍵を開けると、静かな部屋が迎えてくれる。  見慣れたはずのリビング。もうここが私の家なんだ。信じられない気持ちがまだあるけれど、でも、ここにいてもいいんだ……。胸が熱くなった。「さ。邪魔者はいなくなったし、2人でイチャイチャしますか」蓮司が私を抱きしめる。 「さっきのアレ、お母さまに変な目で見られたじゃない。蓮司があんなこと言うから……」「好きな女性と暮らしていたのに、手を出さなかった俺を褒めて欲しいくらいだ」 「もう……」  キスが降ってくる。「待って、お風呂……入らなきゃ……」「どうせ汚れる」 言い方っ!!

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