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5. 「あの日の僕ら」52

Auteur: 佐行 院
last update Date de publication: 2025-09-29 10:52:05

-52 味の秘密-

 好美と美麗の食欲に美恵はただただ驚愕していた。

美恵「あんた達の胃袋どうなってんのよ、さっきまでバカ呑みしてたじゃない。」

 美恵は出された料理を1口食べた、とても居酒屋とは思えないクオリティだった。

美恵「こりゃ納得だわ。」

王麗「そりゃそうさ、特級厨師である私の父ちゃん仕込みだからね。」

 実は孫娘である美麗もこの事を知らなかった。

美麗「おじいちゃんってそんなに凄い人なの?」

 驚くのも無理は無い、美麗の祖父である張朴(チョウパク)は日本に来るたびに老酒(ラオチュウ)を呑みあさってばかりだからだ。

 因みに英検2級、そして日本語検定1級の実力を持っている。

男性「おーい、皆来たぞ。」

 店の出入口を見ると季節外れのアロハシャツを着た老人が1人。

龍太郎「げっ・・・、あの声は。」

王麗「あらあら、うわさをすれば何とやらというやつだね。」

 そう、やって来たこの老人が先程話にあがった張朴だった。正直、お世辞にも特級厨師には見えない。

 本人曰く、いつも通り龍太郎の味のチェックらしいのだが。

龍太郎「時期が違うじゃねぇか、くそじじい。」

 とても師弟関係がある様
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  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」320

    -320 副店長の本心 デルアの姿にティアマットの母娘が目を輝かせていた顔合わせの直後、一先ずシフトの相談をする事になった。やはり優先されるのはこれからヌラルが学生として頑張ろうとしている事、それが故に母のバハラが副店長として十分に実力を発揮できる様に考慮する事だった。各々の生活をしっかりと守る事、そして大切にする事が(新)店長・デルアとオーナー・好美の義務だったからだ。デルア「安心して勉強に励んでくれれば良いからね、今はたった1度の人生を満足して全う出来る様に経験を十分に積むべき時期だからね。俺に出来る事があるなら何でも協力させてよ、それに・・・。」 すこし「哀愁」という言葉を感じさせる表情を浮かべる副店長。好美「「それに・・・」、どうしたってのよ。」 デルアの表情にただならぬ意味があると感じた好美、ただ何を意味しているのかは全くもって分からなかった。デルア「後悔して欲しく無いんだよ、俺みたいに・・・。」 バルファイ王国で黒竜将軍として活躍していたデルアの心中に「後悔」という言葉があるとは思えない好美、ナルリスと生き別れてから今の今まで何があったというのだろうか。好美「デルアから聞くとは思わなかった言葉だね、正直言って意外かも。」デルア「そうだよね、あまり良い記憶では無かったから話さない様にしていたんだ。一応確認するけど、俺と兄(ナルリス)が幼少の頃に一度生き別れている事は知っているよね?」好美「それは・・・、確かに光さんからちょっとだけ聞かされていたけど。」 確かに好美はデルアの成り立ちなどを詳しく聞いたことは無かった様な気がする、正直そんな機会など今まであっただろうか。デルア「これはまだ俺や兄貴が吸血鬼(ヴァンパイア)だった頃の話だ、皆も知っていると思うけど俺達の母親が人間により殺された際に俺は兄貴と生き別れた。まさか兄貴の中で俺が死んでいるものになっていたとは思わなかったけど俺は間違いなく独りぼっちだった、それから暫く経って本当は貝塚学園大学(こんな名前だった気がする)の料理科(あったの?)に通いたかったけど正直金が全く無かったから王国軍に入るまで色々と必死だったんだよ。実は板長と出逢って料理の修業をした後に1度大学に通って勉強をするかどうかを王様直々に聞かれたけどいち早く金を稼ぎたい一心だったから断ってね、今思えばあの時「Yes」

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    -319 黒龍族と黒竜将軍- 正直言って必要かどうか分からなかったが美麗含む「貝塚運送」の従業員数名による迅速な作業により新居への引っ越しを終えた混沌龍(ティアマット)達や好美は急ぎデルアが待っている(かどうか分からない)「暴徒の鱗 ビル下店」へと向かった、引っ越し作業を行う前にオーナーが言った通りと言わんばかりに新店長予定者は暇そうに茶を飲んでいた(時間が時間なのでそうなってもおかしくはないよな)。デルア「いらっしゃい、ずっと待ってたんだよ。」 引越しの作業中ずっとなのかと考えるとかなりの間仕事をサボっていた事が見受けられる、それとも長めの休憩時間を設けていたのだろうか。好美「ごめんね、思った以上に引越しの作業が長引いちゃって遅くなっちゃった。ただデルア、今の所店は大丈夫そうだけどいざお客さんが来た時どうするの?」デルア「問題無いよ、お客さんが来たらホールにいるバイトにベルを鳴らしてくれって伝えてあるから。」 副店長に店を突如任された可哀想なアルバイト店員、何となくだが誰か労ってあげてよと思ってしまった。因みに察しが付くと思うが荷物は少なかったし好美は何もしていない。好美「そんなになるまでランチタイムが大変だったの?まだイャンダが異動した訳でも無いのに?」 イャンダが異動する予定の店舗(旅館)はまだ改装作業が終わっていないので異動のしようがない、それが故に今でもビル下店の店長として働いているはずなので今日は出勤していると思われるのだがどうしたのだろうか。デルア「別にサボっている訳じゃ無いよ、今までなかなか有休を取得する事が出来なかったから今日は半休にしているんだよ。」好美「半休?!」 この店(いや会社)に半休の制度があった事すら知らなかった好美は目を丸くしていた、と言うか店舗のオーナーの癖に知らない事が多すぎやしないか?デルア「悪かったよ、ただこのままでは会社が国に怒られちゃうから2人で話し合って決めた事なんだ。好美ちゃんにちゃんと言えてなかった俺達の責任だ、許してくれ。」 バルファイ王国の元竜将軍(ドラグーン)に頭を下げさせるとは、やはりこの店での好美の存在はかなりの大きさだと言える。好美「別に良いよ、ちゃんと会社の事を考えて決めた事なんでしょ?タイミングが悪かっただけじゃない、頭を上げてよ。」 あれ?珍しく優しいな、まぁそう言う

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    -318 結愛の「働き方改革」- 『念話』で連絡を受けた好美と共に『瞬間移動』をして来たヌラルから家の鍵を渡された美麗は玄関を開けてポカンとしていた、どう見ても今まで母娘2人で生活をしていたとは思えない位に家財道具が少なかったのだ。その光景からは学校へと行けない程「生きる」だけで精一杯になっていた事が見受けられた、ただ従業員が続々とトラックを駐車している様子を見て美麗は焦っていた。美麗「正直言って・・・、これだったら1台で十分な気がするんだよね。どうしよう・・・、連れて来すぎちゃった。」 しかしこれに関しては美麗の責任ではない、米の集荷の予定を完全に無くしてしまった好美の責任である。しかし好美からすればただただ店で使う米を買い占めただけなので罪悪感など持つ訳が無かった、と言っても先程までデルアが時間をかけて洗っていた位なのでよっぽどの量だった事が推測される。好美「美麗・・・、この人たち全員が元々米の集荷に行く予定だったの?」美麗「そうだよ、卸問屋の人が結構な量があるって言うから予め人員を増やして対応していたんだけど突然集荷の必要がなくなったからこっちに回って来て貰ったの。早く済んだ方が好美も助かるかなと思ってさ、でもこれだったら1台でもすぐに終われるね。」 美麗の言った通りだ、好美は今夜王城での夜勤を控えているのでそろそろいつもの昼呑みをしてぐっすりと眠ってしまいたい様だ(何となくいつでも休んでいるイメージがあるがちゃんと仕事していたんだな)。好美「助かるよ、駐車場を構えていても大量のトラックがぞろぞろと走っていたらネフェテルサの人達がびっくりしちゃうからね。」 元々農家が多いネフェテルサの住民からすれば、軽トラがぞろぞろ走っている光景は見慣れた物だったが中型トラックや大型トラックは物珍しさに野次馬として見に来る位だと思われる。もしそうなってしまえば大騒ぎが故に引越しどころではなくなってしまう。美麗「それじゃ、今日はもう集荷の予定もないみたいだから他の人達には帰って貰うね。(念話)結愛、別に良いでしょ?」 どうやら結愛が密かに2人の様子を『探知』していた事を『察知』していた美麗、この世界に来てまだ間もないはずなのにもう既に能力を使い慣れている様だ。結愛(念話)「美麗が良いなら俺は別に良いぜ、主任は美麗なんだから現場での判断に任せるよ。」美麗

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    -317 蔑ろにしないで- つい先程発覚した事なのだが好美とヌラルの会話を『探知』を利用して盗み聞きしていた人物が1名、流石に自分抜きでこれからの「暴徒の鱗 ビル下店」における人事を決めて欲しくはないという気持ちから『念話』を飛ばさない訳には行かなかった様だ。デルア(念話)「好美ちゃん、いくら何でもシフトの相談もしなくちゃいけないから俺抜きで話を進めないでくれないかな。」 デルアは店長でありバルファイ王国軍時代からの相棒であるイャンダが新店へと異動した後は自分が店長となるので一応相談して欲しいという思いがあった様だ、ただでさえイャンダの様に上手く店を回せるか不安だというのに自分の知らない所で勝手に人を雇わないで欲しかったらしい。好美(念話)「大丈夫だって、こういうのはフィーリングってやつよ。2人を雇う時もこんな感じだったから心配しなくても良いから。」 流石は一流の起業家は違うねと周囲の誰もが言いたくなるかも知れないが、この世界に来たばかりで経営に関しては全くもって初心者だった頃の好美は何処へ。ヌラル「な・・・、なぁ・・・。これは誰の声だよ、全くもって聴き覚えが無いんだけど。」 1階の店舗部分に全くもって行った事が無いヌラル、突然の『念話』に動揺してしまうのも無理は無い。好美(念話)「デルアったら・・・、いつから聞いてたのよ。でもお陰で手間が省けたから良いとするか、一先ずそっちに行って良い?どうせ暇でしょ?」 時計をチェックして丁度お昼のランチタイムが終わったであろう時間帯だという事を確認した上でだと思われるが、店のオーナーとして今の発言はどうなんだろうか。デルア(念話)「俺久々に出てきたってのに「どうせ」って何だよ、「どうせ」って・・・。でも好美ちゃんが言った通りだから別に来ても良いよ、新しい従業員達と顔合わせしたかったしいつもの様に突然目の前に現れた大量の米をやっと洗い終えたから今からお茶でも飲んで一息つこうかと思っていたんだ。」好美(念話)「げっ・・・!!と、取り敢えずそっち行くね。」 身に覚えがある様子の好美は早速母娘を連れて『瞬間移動』しようとしたが何か忘れてはいないか?気の所為だったらいいけど。美麗(念話)「好美!!頼まれた家にトラック数台で来たのは良いけど鍵が開いてないと引越し出来ないよ、誰かこっちによこして欲しいんだけどそれ

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」316

    -316 新居と寛大な国- 女性達が昼間から酒を煽りながら露天風呂を満喫してから数日経った事だった、相も変わらずの独断(いや自己中?)ぶりを発揮した大家によりブラッディ母娘はマンションの空き部屋を借りて住み始めた。因みに貝塚学園の寮として使っている下層階の部分に空き部屋が無かったという事もあるので他の住民には内緒で家賃は少し安くなっている様だ、こう言って良いのか分からないが無理矢理この場所に住めと言ったのが好美自身なのでちょっとしたサービス精神をもって良いかと思うのも納得はいく。好美「何よ、それじゃ私が独裁者みたいじゃない。人聞きの悪い事を言わないでよ。」 す、すんません・・・。今度またビールでも奢らせて頂くので許して下さい。好美「約束だからね、確か前に約束してもらったビールもまだだったはずだから一緒に奢ってよね。」 あ、あれ?そんな事ありましたっけ・・・、忘れないうちにお送りさせて頂きます。 さてと・・・、「鬼の好美」が出ない内に話を進めますかね。 初めて村以外の場所で住む事になった母娘は好美自らの案内で連れられた新居に驚きを隠せなかった、マンションの中では結構スタンダードな部屋だと思われるのだが。ヌラル「すげぇな・・・、好美・・・、俺達本当にここに住んで良いのかよ。」バハラ「何か申し訳ないよ、家賃だって安くしてもらっているのにこんなに良い部屋を用意してもらっちゃって・・・。何か罰が当たりそうで怖いよ。」 母娘は今にも泣きだしそうな表情で語っていたがずっと受けていた迫害の事を考えるとこれから良くなって行くばかりの人生(いややはりそこは「龍生」?)の前兆だと言えるのではないかと思われる、寧ろ好美からすれば少し遠慮した位だった様だ。好美「何を仰っているんですか、私がお呼びしたのにこんな部屋で申し訳ない位ですよ。」バハラ「私達にそんな事を言ってくれるのかい、こんなに嬉しくなったのは久方ぶりだよ。」 2人の年齢の事を考慮に入れるとバハラの「久方ぶり」という言葉が我々人間に比べると桁違いの物となっている事だと推測できる、きっとその分感動も遥かに大きい物なのだろう。ただ感動しているのも束の間、ヌラルには1つ心配している事があった。ヌラル「ただ俺達がこうやって来たのは良いんだけど家財道具とかどうやって運べばいいんだよ、鳥獣族(グリフォン)に知り合い

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」315

    -315 下らない真相- 確かにあの日、莉子は渚の様に下っ端達を殴って「一掃した」訳では無いが台所で伸びていた事は事実だ。殴る以外の方法で倒してしまう方法なんてあるのだろうか、ただ転生者達と一緒にいたティアマットのヌラルが1番聞きたかったのはそれでは無かった様な・・・。ヌラル「なぁ・・・、俺はただ結愛の「お袋の味」を知りたかっただけなのにどうしてそんな話になっちゃったんだ?」結愛「そうだよ、母ちゃん!!ここに来てもらったのは母ちゃんの手料理を作って貰おうと思ってなんだよ!!」 『人化』した混沌龍により娘は自分をここに連れて来た目的を思い出したと察した様だが、莉子はその言葉を聞いて少し抵抗感を覚えていた。莉子「結愛・・・、母親としてあんたの長年の願いを叶えたいのは山々だけど出来ないんだよ・・・。」結愛「「出来ない」って・・・、何でだよ・・・。」 その場で顔を蒼白させる母娘、そこまで深刻な理由でもあるのだろうか。莉子「結愛・・・、私ね・・・。」 少し抵抗しながら自分の事を語り出そうとする莉子の言葉を突如後輩が遮った。渚「料理が「ド」の付く程下手だったんですよね。」莉子「あんた・・・、そんな事をよく覚えていたね。」渚「そりゃあそうですよ、うちの若が説明した通りに何度も何度も作り直しても不思議な位まずい料理が出来上がってましたもん。」 そう、渚達がまだ中学生だったあの日に下っ端達が倒れた理由は莉子が試作した不味い料理を繰り返し食べたからであった。渚「見た目だけは若の物とさほど変わらなかったはずなのにそこにいた全員が理由を聞きたかった位不味かったんですもん、誰だって覚えていますって。」 因みにこの事は赤江組の組員達内により「黒歴史」として語り継がれていたという。莉子「だから・・・、何と言うか・・・、ごめんね。今更言うべき事じゃないと思うけど、きっと義弘も料理の出来ない私に愛想を尽かせて追い出したんじゃないかなと思うのさ。」 恥ずかしそうに後頭部を掻いていた莉子は笑いながら語っていたが、義弘が莉子を追い出した理由は全くもってそうでは無い。結愛「そうか・・・、分かったよ。じゃあもう無理は言わない様にするから義弘の事を口にするのはやめてくれ、思い出すだけでも吐き気がするんだよ。」 まるで胃もたれを起こしたかのように腹を摩る結愛、「最悪の高校時

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   6. 「あの日の僕ら2」⑭

    -⑭ 暴走行為の裏には- 2重の恐怖から真帆はずっと泣き崩れていた、もうキッチンカーでビールどころではない。そこにこの地域にずっと住んでいるが故に2人と仲良くなっている美恵と文香が駆け寄って来た、一体どれほど足が速いのだろうか。それとも警察署の近くでずっと暴走行為が行われているのだろうか、もし後者だったのならこの辺りの警察はかなり舐められていると言えるのではないだろうか。文香「真帆ちゃんじゃない、怪我はない?守君も大丈夫?」 歩道に倒れ込む2人に手を差し伸べてゆっくりとだが起こそうとする文香、ただ2人は真帆をかばった守が少し擦りむいた以外はほぼ無事だったので自力で起き上がった。美恵「

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   6. 「あの日の僕ら2」⑫

    -⑫ 試着- 2人は待ち合わせ場所からゆっくりと歩きだした、別に恋人同士と言う訳でも無いので歩幅を合わせたり手をつないだりと言う心遣いは全く持って無い。 朝早い時間帯が故か、そこら辺中通勤中のサラリーマンやOL、そして通学中の学生達が右往左往していた。 そんな中、互いに休みだった2人は一先ず緑色の看板で有名な全国チェーンのカフェに入った。珈琲の良い香りがそこら中に広がる中、2人は珈琲やサンドイッチ、そしてクロワッサンを頼んで屋外のテラス席へと向かった。真帆「今日、何しよっか?」 突然決まった事なので別に予定が決まっている訳では無い、しかし実際に行動しながらこの後の予定を一緒に決める

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   6. 「あの日の僕ら2」⑨

    -⑨ 離れた理由- ラムネと駄菓子を存分に楽しんだ高校生たちは各々の家路についた、1つ先の通りにある交差点で二手に分かれて帰って行った。 まだ昼の2時だったのでゆっくりと景色を楽しみながら守は家までの道を歩いた、無意識に笑顔がこぼれて自然に鼻歌や口笛が出ていた。 守が家に到着し、玄関の鍵を開けて引き戸を開けると奥からテレビの音が漏れていた。守(当時)「あれ?母ちゃん、今日休みなのかな・・・。」 普段、母の真希子はパートの仕事に出ているはずの時間帯なので音がはずは無かったのだが今日は違うみたいだ。 廊下を歩くと、リビングの入り口から真希子がテレビを見ているのが見えたので守は一先ず一

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   6. 「あの日の僕ら2」⑥

    -⑥ あの時の言葉- 二手に分かれた4人はそれぞれ反対の方向へと向かって行った、光明の作った隠しカメラと悟に知られない為の作戦を完璧に遂行するべく、この行動は必須とも言えた。 親会社「貝塚財閥」の副社長である光明からすれば「貝塚技巧」の工場内の全貌は頭に入っていたので今更見学は必要無かったのだが、少しでも友に協力する為に守と悟が完全に見えなくなるまで演技を続けていった。悟「こちらから作業場に入って行きます。」 悟自ら作業場への引き戸を開けて守を中に案内した、全体的に吹き抜けになっている工場では数人の男女が作業をしていた。 因みに聡の協力の上、光明が守の衣服に仕掛けた小型のマイクを通

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