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6. 「あの日の僕ら2」79

Author: 佐行 院
last update publish date: 2025-12-22 11:07:44

-79 翌日の運命-

 煙草を燻らせる龍太郎の横で豊は泣き続けた。

龍太郎「良いか豊、他の奴にも言った事だがこれだけは覚えておけ。お前が努力した事を知らない訳じゃ無い、ただ決してお前1人の力ではないという事を覚えておけ。周りの人間がいるから今のお前がいるんだぞ、そして俺は決してお前を1人にしねぇ、見捨てねぇ。」

龍太郎と剛毅の電話は繋がっていたらしく、電話の向こうで剛毅はずっと泣いていた。

剛毅(電話)「龍さん、本当にありがとう。あの時決心して本当に良かったよ。」

 剛毅の泣き声がずっと続く中、龍太郎は豊に尋ねた。

龍太郎「そう言えばお前、最近何の仕事をしているんだ?何処の祭りに行っても見かけねぇじゃねぇか。」

 龍太郎に答えようとする豊の横から美麗がテレビを指差しながら口を出した。

美麗「パパ、それ聞く必要ないみたいだよ。」

 娘の指差していたテレビ上での報道番組で、ある特集が流れていた。

龍太郎「何・・・、「元暴力団組員が一念発起、綿菓子屋台店主の目線から学んだ経済学とは 貝塚学園大学経済学部長 渡瀬 豊教授」?!お前、本当に経済学者になったのか?!」

豊「はい、それで先日取材を
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    -251 再び相まみえた憎しみあう親子- 改めて早急な事件の解決とそれによる黒龍族の尊厳の回復を誓った捜査班達(なのか?)はどんな事でも良いから少しでも真実に近づける様に手がかりをかき集めたかった、一先ず希は先程ヌラルが語っていた凄惨な過去により流れていた涙を拭いながら捜査に協力すると自ら宣言した混沌龍に気になっていた質問をしてみる事に。ヌラル「すみません、暗い話なんかしちゃって。」 ただでさえピリついていた牢獄の中にしんみりとした雰囲気を持ち込んでしまった事を反省するヌラル、しかしクァーデン家への長年の怒りや恨みを思い出したティアマットの辛さは現場にいる全員の中でダントツの1番と言えるだろう。希「お気になさらないで下さい、ただ恐れ入りますが少々質問させて頂いても宜しいでしょうか。」 未だに先程の非礼を引きずっている希は相手が話しやすい様に言葉を選んでいた。ヌラル「勿論です、どの様な事でしょうか。」希「助かります。ハイラさん、恐れ入りますがあのカメラをお持ち頂けませんでしょうか?」 ネフェテルサ王国警察署長に依頼された強制収容所長は安全な場所にて保管していた例の監視カメラが入った金庫(確かコイムだったっけか?)を持参してヌラルから見える様に開けた。希「ありがとうございます。ヌラルさん、ハッキリとお聞きしますがこの監視カメラに魔力を込めたのは貴女ですか?」ヌラル「いえ、私ではありません。確かこの魔力は私達に義弘の脱獄を手伝えと言って来た男に指示された私の友人の物だったと思います。」希「因みにそのご友人は?」ヌラル「私の母や同じ村で住んでいた黒龍族の者達と共に義弘の下で囚われています、私は犯人達の隙を見てかろうじて逃げて来ましたが嫌そうにしていた友人の表情を覚えていますので間違いありません。」希「うーん・・・、という事はカメラに魔力が込められる場面を目の当たりにしたという事ですね?」ヌラル「勿論です、目の前で行われていましたから。」 再び『虚偽判定』を行っていた結愛により嘘ではない事が証明されたヌラルの返答を聞いて顎に手をやりながら考え始めた、何があったと言うのだろうか。ヌラル「どうされました?」希「いや・・・、分からないんですよ。どうやってこの難攻不落な強制収容所に侵入して「このカメラ」に魔力を込めたと言うんでしょうか。」 すると

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    -250 嘘により奪われた全て- 突然だがこれは数百年も前の事、当時ヌラルを含めた黒龍(ブラックドラゴン)族は他種族の龍達と何も変わる事も無くダンラルタ王国にある大きな山の一角で平和に暮らしていた。先程のヌラルの様に『人化』をして麓の村や他の2国の住民とも交流を持っていた上に積極的に農業に励んでいたりもしていたので周囲の住民に向けて採れたての野菜を販売したりもしていた、実はヌラルの両親もそうだった。 そんなある日、ヌラルの母親が娘を連れていつも通り山の麓にある村でその日の朝採れたばかりの野菜を販売しに行った時の事。普段なら母親が荷物を降ろした瞬間に村の住民達がこぞってやって来ていたのだが、その日は誰も来ることは無かった。それどころか母親を避ける様に皆家に向かって走り出していたので不思議に思った母親は偶然側を通りかかった夫人に声をかけてみる事にした。母親「あんた、いつも通り今朝採れたての人参を持って来たよ。あんたこれが入ったスープが好きだって言ってたじゃ無いか、いかがだい?」夫人「・・・。」 ギラリと睨みを利かせた後周囲の住民と同様に母親を避ける様に去って行ってしまった夫人、つい泣き出してしまいそうになっていた母親に向かって大きな空き瓶が投げられた。ギリギリ寸前で避ける事が出来た母親が空き瓶の来た方向へと振り向くとそこにはその村の村長が、再び空き瓶を投げつけようとした村長は母親に向かって罵声を浴びせた。村長「出て行け、この毒の塊め!!その野菜も闇魔術で育てた野菜も毒で満たされているんだろう、食ったら死ぬんだ!!命が惜しいから出て行け!!」 黒龍族が闇魔術に精通していることは確かな事実だが母親は農業に励んでいた時には魔法など一切使っていなかった、それどころか無農薬に拘って肥料や土も自然界にある物を使用して村の住民の健康を気遣った野菜作りを行っていたという。母親「そんな事無いよ!!それとも今まで私が作った野菜を食べて死んだ人がいたって言うのかい?!」村長「フン!!お前の言葉なんか聞きたくないわ!!そこにある穢れたゴミを早く持って出て行け!!この見た目からして穢れた一族め!!穢れた血め!!」 余りにも酷い言葉を浴びせられた母親は娘を抱え逃げる様に当時黒龍族が住んでいた村へと走って戻った、ただ母親が戻った時にはもう・・・。母親「村が・・・、無い・・・。

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    -221 中身- 転生者達は訳が分からなくなっていた、「金庫がいじけて出て来なくなる」とはどういう事なのか。確かに「何でもありの世界」ではあるが先程ハイラが自らの手で金庫を取り出していた場面をそこにいた全員が目視していたので副所長の言葉が不審に思えて仕方が無かった、しかし転生者達の疑問はすぐに解決された。女性「何よ、開けるか開けないかハッキリしなさいよ。」ハイラ「ごめんなさい、もうすぐ開けるから許して頂けませんか?」女性「あんた前もそう言ってなかなか開けなかったじゃ無いの、もう帰りたいんだけど早くしてくれる?」ハイラ「分かりましたから、もう少しだけお待ち頂けませんか?」 これがデ

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」220

    -220 社長と副社長の視点- 以前設置されていた監視カメラの映像を眺めていた副社長はずっと親指の先を軽く噛んでいた、どうやら本人が先程から言っていた「嫌な予感」が本当に当たってしまった様だ。光明「義弘め・・・、ずっと同じ映像が流れる様に監視カメラをいじくってやがったか。」 妻が気付いた通りに画面の中にいた義弘が動かずにいた事も根拠として言えるのだが光明は別の視点からの根拠を見つけていた、一見単純な物だと思われるが久々に見た義弘の姿に震えが止まらなくなっていたので気付かなかった様だ。大企業の社長と言ってもやはり人間、小さな見落としも十分にあり得る。結愛「死んだ様にずっと動いてないから

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」219

    -219 夜勤明けの人物が握る重要な情報(?)- ハイラの案内で転生者達は一旦義弘のいた牢獄を離れて所長室から程近い所内の事務室へと向かった、事務室と言っても監視カメラの映像の確認等を行う事がメインなので至ってシンプルな作りとなっていた。後は牢獄を中心に各部屋の鍵が厳重に管理されている位の様だが大抵この部屋で仕事をしている所員は面会者の受け入れやモニターとのにらめっこをしている事が多いのでこれ位で十分なのだと言う、強いて言うなら水分補給の為の冷蔵庫がちょこんと置かれている様だ(ハイラは個人的に自分が淹れた紅茶を飲んで欲しい様なので納得いってないみたいだが)。 全員が事務室に到着した頃、時

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」218

    -218 確実な捜査の為に- 目視可能な証拠を提出する為に所長はその場を離れる事にした、ただ転生者達が今いる牢獄から所長室までの距離を考えるとあまり徒歩での移動を勧めたくは無いと思っていた。本来の自分達ならすぐさま『瞬間移動』で向かうのだがここにいるメンバーの中で最も強力な魔力を持つネクロマンサーの結愛でさえ能力を上手く使えないので今は地道な捜査を行うか唯一(?)無事な光明を頼るかの2択であった、ただ光明には可能な限り監視カメラの解析に集中して欲しいので前者の方法を取るしかないかもなと頭を抱えるばかりであった。しかし今よく考えれば魔力を持ってるのって転生者達だけじゃ無かったよな、最も頼りが

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