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6. 「あの日の僕ら2」80

Auteur: 佐行 院
last update Date de publication: 2025-12-22 11:08:29

-80 待ちわびた恋人と罠-

 意識が遠のいていく中で守は泣き叫ぶ真帆越しに犯人がパトロールしていた警官により逮捕されていくのを見ていた。

守「やはり、あいつは・・・。」

 守は自分の推測通り一連の通り魔事件を起こし母・真希子の死亡をマスコミにリークしたのが義弘派閥の茂手木だった事を後ろ姿で確認した。

 それから数時間が経過した後、守は病室のベッドの上で目を覚ました。医師によると刃は深く刺さってはいたが、各々の臓器を絶妙に外していたらしい。恋人の無事を知った真帆が歓喜のあまりに勢いよく守に飛びついたの、で守は全身に痛みが走った。

守「いっ!!」

 その様子を巡回で偶然通りかかった光江が病室の外で目撃した。

光江「こらこら真帆ちゃん、まだ傷口が塞がっていないんだから嬉しいからって飛びついちゃ駄目でしょ。それとあんた、何度もキスで起こそうとしてたのも見てたんだからね。」

守「えっ、そうなの?」

真帆「良いじゃん、したかったんだもん・・・。」

 真帆が必死になっていたのが伝わって来たのは良いが、守は少し引いていた。

光江「それとカーテン閉めて襲おうとしたのも知ってるのよ、ここホテルじゃない
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    -190 優先すべきは店舗か個人か- 自分の屋台と同じチェーン系列である1店舗のオーナーである好美のまさかの行動に慌てて『念話』を飛ばした、別の店舗に食材を探しに行けば良いじゃ無いかと俺は個人的に思ったのだがこのまま国王を待たせたままだと「暴徒の鱗」の信用を落としかねないし何より好美の為にならない。しかし今の好美には仕事を忘れて折角の卒業旅行を楽しんで欲しい、一先ず理由及び動機を聞いてみる事にしてみた。渚(念話)「好美ちゃん、どういう事なんだい。バルフでこんなに食材を買い占めてどうするつもりなんだい?」 いち経営者として、そして先輩として好美のこの行動は許す訳にはいかない。しかし好美サイドにもそれなりの理由があって・・・、欲しかった。好美(念話)「え・・・、何の事ですかぁ~?」渚(念話)「あんたね、いくら「ビル下店」を好きな様にしていい権利を有しているからってこれはあんまりじゃないのかい?店の皆がびっくりしちゃうじゃないか。」 確かに好美は「ビル下店」のオーナーであるがその様な権利をいつの間に持っていたのだろうか、ただ先日の「鮪1本事件」と「大量の白菜・胡瓜事件」という前科があるので流石にイャンダやデルアもこの様な事態は懲り懲りだと思うはずだ。可能であれば買い占めた大量の食材を突然店内に出現させて驚愕させるという事態は未然に防いでおきたい。渚(念話)「何だい・・・、もう出来上がっちゃってんじゃ無いか。なのに酒を中心に買い占めているだなんて改めて聞くけどどういう了見なんだい?」好美(念話)「いや・・・、店を出た後に適当に何処かで呑もうかと思いまして。」渚(念話)「まさか・・・、あんた個人的な吞みの為に買い占めたのかい?ここは一応業務用食材の店なんだから私が来るって思わなかったのかい?」 こんなに買い占めてどうやって運ぶつもりなんだろうか、どう考えてもカペンには乗りそうにもない量なのだが今はそれ所では無い。冷静な表情をしながら好美の隣で2人の『念話』を聞いていた守が割って入って来た。好美(念話)「ネフェテルサ王国のゲオルさんの店で買って『転送』か『アイテムボックス』を使えば・・・。」守(念話)「すみません渚さん、こいつ最近酔ったら馬鹿買い癖が出てしまう様になっちゃうんですよ。この前も八百屋さんから「暴徒の鱗」の名前でピーマンを馬鹿みたいに買い占

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    -186 普段優しいコッカトリスは怒ると怖い- 好美にこれ以上飲まれてたまるかと言わんばかりに焦った様子で手に持っていたコーラを一気に口にした守は国王の前だという事にも関わらず大きなゲップをしてしましった、第三者として様子を見ているだけの俺からすれば原因は好美にあるのか守にあるのかが分からない。しかし仲睦まじい恋人達の様子を見ていたデカルトは好美を乗せて地上に降り立った後にただただ笑うだけだったが顔が引きつっていない事を願うばかりであった。守「王様、大変失礼致しました。申し訳ありません。」 頭を深々と下げて謝る守、それに対して腰の低さに定評がある国王は全てを笑って許してくれた様だ。デカルト「ハハハ・・・、楽しそうで何よりじゃないですか。私も学生時代に妻と付き合っていた頃の事を思い出してしまいましたよ。」 デカルト達の学生時代が何年前の話なのかは全くもって想像がつきそうにも無かったが今はハッキリ言ってどうでも良い話だ、と言うよりあんたらここには遊びに来た訳じゃ無いだろう?守「分かってるよ、好美がいけないんだぞ。ずっと王様の背に乗って遊んでいたから。」デカルト「まぁまぁ守さん、良いじゃないですか。誰だって何もかもを忘れて無邪気に楽しみたい時だってあるはずです、今回は私の顔に免じて許してあげて頂けませんか?」守「王様がそう仰るなら・・・。」 致し方なく好美を許した守、でも心中はずっともやもやしているままだった。デカルト「一先ず入りましょう、このままだと大臣の弟さんに迷惑をかけるだけですから。」 店に何の用事も無い訳では無いがこのままだとただの迷惑駐車だ、早く店に入った方が賢明だと皆が思うだろう。好美「分かったよ・・・、早くこの問題を解決して旅行に戻りたいもん。」 ビジネストークをしている時が多いので2人がまだ卒業旅行の最中だった事をついつい忘れてしまっていた俺、作者からすれば恋人達にはもっとほのぼのとした異世界ライフを楽しんで欲しいのだがそうは問屋が卸さないらしい。 そんな中、店の中からずっと様子を伺っていたランバルは店にも入らずにずっと遊んでいる者達にしびれを切らして外に出て来た。ランバル「あの・・・、うちの店の前でずっと何をされているんですか?」デカルト「すみません、本当はすぐにお店の中に入ろうと思っていたのですがついつい楽しくなって

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    -185 店には着いたけど・・・- ダンラルタ王国にて連なる山々を眺めながら国王の背で笑顔を見せる好美は美しい景色によりすっかり空腹を忘れてしまっていた、これは台風が来かねない位の事態と思われたが今はそれ所ではない。しかし、2人共に(?)今から向かう目的地における問題の当事者では無いのでゆったりとした空の旅を楽しみながらずっと笑い合っていた。ただ転生者達、いや住民達にとっての貴重な経験は長くは続かなかった。守「王様、こちらです!!非常に申し上げづらいのですがずっとグルグルと回ってないで降りて来て頂けませんか?」 いつの間にか目的地についていた事に気付いていないフリをしていたデカルトは後ろを追う守達が来るまで好美に特別サービスを行っていた、どうやら王城で延々と家事をこなしていた為に外で遊びたかった様である。デカルト「すみません、お気遣い感謝致します。すぐに降り・・・、へ?」 突如好美に背中を数回タップされた国王は好美へ耳を貸す事にした。好美(小声)「あの・・・、敢えてずっと旋回を続けて頂けませんか?もう少しだけ遊びません?」デカルト(小声)「貴女も悪いお方ですね、彼氏さんを無視しちゃって大丈夫なんですか?」好美(小声)「折角の旅行なんでもう少しだけ楽しみたくて、駄目ですか?」 好美の質問に優しく微笑みながら返答したデカルト。デカルト(小声)「ハハハ・・・、好美さんが良いなら私は構いませんよ。それにしても折角のご旅行中に私共の大臣がご迷惑をお掛けして申し訳ありません、お詫びと言ってはなんですがサービスさせて頂きますね。」好美(小声)「私自身は大丈夫です、ランバルさんには悪いですけどお陰でそれなりに楽しませて貰っていますので。」 そう言うと速度を上げて空中を旋回するデカルト、何処からどう見ても好美の悪戯心による行動だという事が分かる。地上から2人の様子を見ていた守はため息をつきながら好美に『念話』を飛ばした、元の世界にいた頃と合わせたらこういった放置プレイは何度目だっただろうか。守(念話)「好美、勘弁してくれよ・・・。それにその人国王様だろ?大丈夫なのか?」好美(念話)「良いじゃん別に、本人が「良い」って言ってくれたんだから。」守(念話)「だからって他の人を待たせたら駄目だろ、特に渚さんに変なイメージを持たれたらまずくねぇか?」 時すでに

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    -⑮ 狼男の敗北- 好美は露店にある胡瓜と白菜を全て買う様にとは言ったものの、その量をちゃんと把握しているかどうか、守は不安で仕方がなかった。 自分の口から「安くする」と言ったケデールも、正直生活に大きな支障が出ないかと心配になっていた。何故ならこの日、ケデールは卸業者から胡瓜を10ケース、白菜に至っては30ケース仕入れていたからだ。守(念話)「好美、どれだけあるのかちゃんと分かって言ってんのかよ、こんなに全部食える訳がねぇだろう。」 胡瓜は1ケース30本、また白菜は1ケースに4玉なので尚更だ。好美(念話)「全部自分で食べるだなんていつ私が言ったって言うのよ、店で使うから買ったの。

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」⑭

    -⑭ 弱みを握る者が勝ち- 好美が守の代わりに『瞬間移動』で鮭の切り身を手に入れて来たのでその場は何とか治まったが、守本人には別の問題が浮上していた。守「やらかしちまった・・・。」好美「守、私味噌汁の具材は豆腐と若布、あと油揚げが良いな。」守「お・・・、おう・・・。」 ただ具材以前の問題が発生していた、そう、味噌を買うのを忘れていたのである。守「どうしよう・・・。」 守は自分が買って来た物を含めて冷蔵庫の中を確認して好美にある事を確認しようとしたが時すでに遅し。好美「やっぱり味噌汁と漬物は必須だよね、私カリカリに焼けた鮭の皮が好きなんだ。」守「聞けない・・・、今更洋食メニュ

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」⑬

    -⑬ 異世界を実感する- ジューヌの店で鮭の切り身を購入した守は、家に戻ろうとしたがエレベーターに乗った瞬間に顔を蒼白させた。そう、好美の家に行くための「15階」のボタンが無かったのだ。初めて家に来た時は好美の『瞬間移動』での移動だったのでどうすれば良いのかをちゃんと聞けていなかった。守「俺・・・、『瞬間移動』出来たっけ・・・。」 エレベーターの中心で1人焦りの表情を見せる守の事を『察知』したのか、とても優秀な(?)恋人から『念話』が飛んで来た。好美(念話)「何よ、私がもう既に『瞬間移動』を『付与』したから早く来なさいよ。早くしないと、もう好美ちゃんのビールが無くなりかけてますよー!

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」⑫

    -⑫ 朝はどうする?- 朝から店主による度のきついボケをするっとかわして「朝と言えばやっぱり・・・」と考えながら鮭の切り身を数切れ購入した守を魚屋が引き止めた。魚屋「朝から焼き鮭だなんて、純和風で良い物食うつもりなんだね。」 「純和風」と言う言葉を聞く事になるとは、本当にここは異世界なんだろうか。守「俺の故郷では毎日朝は焼き鮭でしたから結構普通ですよ。」魚屋「普通ね・・・、俺はいつもラリーさんとこのパンばっかりだからな。」守「良いもんですよ、朝に焼き鮭。」 にこにこしながら答える守に、毎日光が働くパン屋のパンばかり食べている店主は気まずそうにしていた。守「あの・・・、どうした

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