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第5話

Author: 風道
病院に駆けつけると、集中治療室のランプがまだ点いていた。

父は廊下のベンチに座り、まるで魂が抜けたようだった。

「お父さん……」

声をかけた途端、父が顔を上げた。その目から、光が完全に失われていた。

「結衣」

父が力なく言った。

「お母さんが……もう、逝ってしまった」

私はその場に立ち尽くした。

「え?」

「お前が行ってから40分後、突然大出血を起こして。医者が言っていた。あと30分早く適合する骨髄があれば……あと30分早ければ……」

父はそれ以上言葉を続けられなかった。

私は壁を背にして、ゆっくりと崩れ落ちた。

頭の中には、ただ一つの考えしか浮かばない。

もし私が離婚の話に固執していなければ、賢治は母を助けてくれたのだろうか。

口を開いても、何の音も出なかった。

涙がこぼれ落ちて初めて、自分が泣いていることに気づいた。

父が歩み寄り、しゃがみ込んで私を抱きしめた。

父の身体も、声も、激しく震えていた。

「結衣、お前は悪くない」

私は必死に首を振った。

自分のせいだ。

自分が、結婚する相手を間違えたのだ。

以前、賢治の命を救ったのに。

彼は
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