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第31話

作者: タヤスイ
バンッ!

諒助が書類を叩きつけるように閉じると、苦々しげに顔を歪めた。

それを見た彰人は、空気を変えようとすぐさま話を振る。

「そういえば不思議だよな。ウォーカーヒルはずっと記理子さんと諒助さんが管理していて、和久さんなんて滅多に顔を出さないのに。今日に限って誰かを連れ立って現れるなんて」

すると、別の誰かが茶化すように笑いながら口を挟んだ。

「まさか、例の告白動画のせいじゃないだろうな?」

冗談めかした、冷やかしの声だった。

けれど、諒助はそれを反射的に切り捨てる。

「ふん、まさか。兄さんが茜に興味を持つはずがないだろう。それに、茜が愛しているのは俺だ」

茜は自分に一途だ――それだけは、疑いようのない事実。

そう断言しながらも、脳裏をよぎる最近の彼女の態度に、諒助は不快そうに眉を寄せた。

その時、小気味よいドアベルの音が響いた。

秘書の聡史がドアを開けると、ワゴンを押したスタッフが入ってくる。

「中野副社長が手配なさったお料理です」

「ああ」

諒助は立ち上がり、彰人たちにも勧めた。

席に着くと、スタッフの手によって次々と豪奢な皿がテーブルに並べられてい
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