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第23話

مؤلف: むぎこ
淳の元同僚の男は全身を震わせ、陽子のほうへ深々と頭を下げた。

「も、申し訳ございません!軽率でした……朝日さん、長年のご縁に免じて、どうかお許しください!訴えだけは……二度とこんな真似はいたしません!」

淳は冷たく言い放つ。「彼は俺の娘婿ではない。あのような娘婿はいないだ!」

「は、はい!」男は文彦を一瞥すると、這うようにして人混みの中へ消えていった。

人が散り始めると、文彦は陽子の手を取って詫びる。「ごめんね、また嫌な思いをさせてしまって」

陽子はその手をそっと振りほどく。「パパ、ママ、帰りましょう」

文彦が焦ったように呼び止める。「陽子、本当に海外に行くの?」

陽子は足を止め、心配そうな両親を見て、先に車で待っていてくれるよう目で合図する。

二人は近くのカフェに入り、向かい合って座ると、文彦は落ち着かない様子で口を開いた。

「陽子、あのときのこと、全部謝る。本当に俺は何も知らなかったんだ。

五年後の俺が君をあんなふうに傷つけるなんて……あの日、江口がパパラッチを使って写真を撮らせて、君に送ったなんて、知らなかった。もし気づいていたら、すぐにでも説明に行ってた。

君があんな形で飛行機に乗るなんて、まして五年後に行ってあんなつらい思いをするなんて……」

目の前の文彦は、まだ二十四歳。言葉に必死なその姿に、胸の奥がふっと柔らかくなった。

彼は、何も悪くなかった。けれど、自分は五年後の彼の影に怯え、冷たく当たってしまった。

「ごめんね、五年後のことをあなたにぶつけるのは不公平だった」

「いや、謝るのは俺の方だ」文彦は苦しげに目を伏せた。「どの時空の俺でも、俺は京藤文彦だ。あんなふうに君を傷つけるなんて信じられない。でも、もう一度だけチャンスをくれないか。絶対に変わらないって、約束する」

陽子はしばらく黙り、カップの縁を指でなぞる。そして話題を変えるように言った。「SNSのデマ記事、誰が書いたか知ってるでしょ?」

「法務課が調べた。江口美優だ」

「また彼女か」陽子はわずかに眉をひそめる。

「もう手は打った。法務課から通告書を送った。名誉毀損での告発も済んでいる。証拠は揃ってるし、すぐに逮捕されるはずだ。もう、二度と君の邪魔はさせない」

「ありがとう」陽子は淡く微笑み、立ち上がった。「用がなければ失礼。荷造りが残っているから」

その
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