Compartilhar

第3話

Autor: ブタキツネ
明里はドアを静かに閉め、外界とのつながりを断った。

楽屋に戻ると、自分の持ち物を淡々と整理し始める。

ダンスカンパニーに入って十年。仕分けを終えた荷物は、いつの間にか部屋いっぱいに積み上がっていた。

精巧な置物や、今ではもう手に入らないぬいぐるみたちを前に、明里はしばし立ち尽くした。

幼い頃から、彼女はこうしたふわふわしたものが好きだった。新作が出るたび、兄たちと克成がどんな手を使ってでも買ってきてくれた。

そして頭を優しく撫でながら言うのだ――「明里ちゃんのためなら、何でも買ってあげるよ」と。

だが、その後に陽葵が現れた。

明里の部屋には、それ以来一つとして新しいぬいぐるみが増えることはなく、まるで彼女自身が「古い物」に分類されたかのようだった。

いま明里は、ここを去る。ならば、これらの過去の品々に執着する意味はもうない。

彼女はリサイクル業者に電話をかけ、すべて引き取って廃棄するよう依頼した。

業者を待つあいだ、劇団での引き継ぎを淡々と済ませる。幹部たちは、申し合わせたように彼女のさようなら公演には一切触れなかった。

明里も何も言わなかった。ここで時雨家の力に抗えるはずがない、とわかっていたからだ。

もう兄たちのために心をすり減らすつもりもなかった。自分のさようなら公演は、時雨家と陽葵への返礼――そう割り切ることにした。

劇団を出た瞬間、克成の車が静かに横付けされた。

「明里様。克成様が、ハイアットホテルへお越しくださるようにと」

「行かない」明里は踵を返す。

「明里様、私たちを困らせないでください」

四人のボディーガードが無言で道を塞いだ。

彼らは、かつて明里を守るために克成が付けていた人間たちだ。今は同じ腕を、彼女を強引に連れて行くために使っている。

明里は俯き、広い車内へと身を押し込んだ。

「お前を絶対に無理強いはしない」。あの日の克成の言葉が、今でも耳に残っている。

けれど、彼女はもう克成の妻ではない。特別扱いされる資格も、守られる理由も、とうに失われていた。

それでいい。ここを離れれば、心は静かで、何にも縛られずに済む。

車はハイアットホテルへ滑り込み、停車した。

祝賀の文字が刻まれた垂れ幕が、まるで嘲笑うように目に刺さる。

【時雨陽葵、主役抜擢、おめでとうございます】

個室の扉は開かれており、四人の男たちが陽葵を中心に囲んでいた。

陽葵はかつて明里が立っていたその場所に立ち、甘く微笑んでいる。

明里は低く、かすかに笑った。抜擢か……よく言ったものね。

「お姉ちゃん!」

真っ先に気づいたのは、やはり陽葵だった。

部屋の中から明里へ駆け寄り、そのポニーテールが光を受けてきらりと揺れた。

「来ないかと思ったの。打ち上げなんてしなくていいって言ってたのに……お兄ちゃんたちも克成も、陽葵ちゃんが我慢してるんじゃないかって、どうしてもって。お姉ちゃん、責めるなら私を責めて」

陽葵は唇を尖らせ、怯えたような瞳で明里を見上げた。

明里は何もしていないのに、まるで陽葵をいじめたかのような構図だ。

克成も部屋から姿を現し、陽葵を庇うように抱き寄せた。

「陽葵ちゃんは、今まで一度も打ち上げパーティーなんて開いてもらったことがないって言うから……ただ、その願いを叶えてやりたかっただけだ。責めないでくれ」

四人の男たちが向けてくる視線は、もはや敵意そのものだった。

陽葵は、本当に人の同情を引き出すのが上手い。

以前の明里なら、きっと怒鳴っていた。

栄誉を奪われたうえ、目の前でそれを誇られるなど、到底耐えられなかっただろう。

兄たちと克成の寵愛が妹へ移るなんて、受け入れがたいことだった。

変わらないと言っていたのは兄たちだったのに、どうしてこんなにも変わってしまったのだろう。

しかし今の明里は、ただよそよそしく微笑んだ。

「陽葵、克成……おめでとう」

そう言い、彼女は包囲を大股で抜けた。

陽葵が注目されたいのなら、好きにすればいい。

これから先、明里と時雨家は、ただの債務者と債権者の関係。養育の恩を返し終えれば、お互い赤の他人になるだけだ。

Continue a ler este livro gratuitamente
Escaneie o código para baixar o App

Último capítulo

  • 時の流れに抱かれて、彼女は消えた   第27話

    「明里、部屋の物はそのままだ。お前への小遣いは、毎年銀行口座に振り込んでおく。父さんと母さんの顔に免じて、受け取ってくれないか」差し出された鍵束には、時雨家のすべての部屋の鍵がついており、さらに上杉家の鍵まで下がっていた。銀行カードも、明里がかつて使っていたものだ。昴は、尽きることのない願いを宿したまなざしで明里を見つめていた。時雨家が明里にどれほど深い傷を残したかを知る彼は、もはや明里が家に戻ってくることなど望んではいない。ただ、ときどき顔さえ見せに帰ってきてくれるなら、それで十分だった。「清水先生から聞いていると思うけど、私は永住権を取得済みなの。それに、もう安幸と付き合うことを決めている。これからはI国に定住するつもりよ」明里はやわらかく、しかしはっきりと断りを告げた。彼女が安幸との関係を口にした瞬間、克成はもう耐えきれず、席を立って外へ飛び出した。もう明里の邪魔をする気はなかったが、別の誰かの隣に立つ明里を見ることも、同じように耐えられなかった。時雨家の兄たちの視線は、明里と安幸のあいだを揺れ動いていた。自分たちには、もはや彼女の選択に意見する資格などない。その事実を、三人とも痛いほど理解していた。「明里、時雨家の本当の娘がこの国にいるんだ。俺たちはただ……ついでに、そう、ついでにお前に会いに来ただけだ」昴はかすれた声で言った。どんな口実でもいい、一日でも長く、明里の顔を見ていたかった。まさかその本当の娘もこの国にいるとは。明里は胸の奥にひっそりと罪悪感を覚えていた。長年にわたり、彼女が奪ってしまったのは、もともとその娘が得るはずだった愛情なのだから。「もし見つかったら、彼女と会わせてもらえないかな?」明里がそう尋ねると、昴は短くうなずいた。病院をあとにした三兄弟は車に乗り込み、誰ひとり口を開かなかった。タバコの煙が車内にたゆたう。「兄貴……なんで直接『戻ってこい』って言わないんだよ」旭は煙に紛れて、喉の奥の濁った嗚咽を隠した。昴は答えず、ただタバコの火が次々と消え、ライターの乾いた音だけが静かに響いた。ふたたび時雨家から電話が入ったのは、ある日の午後だった。明里は身支度を整え、本当の時雨家の娘に会いに向かった。対面の瞬間、二人の目には同じ驚きが浮かんだ。「どうしてあなた

  • 時の流れに抱かれて、彼女は消えた   第26話

    「緒方さん、私のところでまで何をやらかしてるの?」安幸は顔を真っ赤にして口をつぐんだ。明里は安幸に視線を向け、無言で問いかける。女医はにこにこと微笑みながら手を差し出した。「初めまして。佐藤茜(さとう あかね)です。私と緒方家は長年の協力関係にあって、緒方家専属のプライベートケアを提供しているんです」「佐藤……茜?」明里は信じられないように彼女を見つめた。外で名医として噂されていた人物が、まさか自分と同じくらいの年齢の女の子だったとは。茜が手がけた患者の治癒率は七割に達すると言われている。ふたりは驚くほど気が合い、すぐに打ち解けた。話すうちに、明里は初めて茜の幼少期がどれほど過酷だったかを知る。母親を病気で亡くし、その日から茜は「必ず最高の医者になる」と心に誓ったのだという。他の子どもたちとは違い、幼い頃から医学書を手放さず、あらゆる機会を使って医術を学んできた。「私が今こうして成功できたのは、緒方さんのおじい様のおかげでもあるんです。もし援助がなかったら、ここまで来られなかったでしょうね。それにね、おじい様は私を見るたびため息をついて、『あんたがうちの娘だったらよかったのに。そしたら毎日、うちのバカ息子を見て頭を抱えなくてすむのに』ってぼやくんですよ」茜が安幸を突くときは、一切手加減がなかった。安幸はじろりと茜を睨み、明里に言う。「先輩、こいつのデタラメなんて聞き流しでいいから」「君たちが知り合いなら、これ以上の紹介は必要ないね。明里のことを頼んだぞ、佐藤先生。必ずこの子を再び舞台に立たせてくれ」清水は明里に大きな期待を寄せていた。茜は真剣にうなずき、まず明里に全身検査を行った。結果が出ると、茜の顔色はみるみる青ざめた。「明里さん、本来ならあなたのプライバシーを探るべきではありません。でも医療上どうしても必要です。以前、虐待を受けたことはありますか?これらの傷は一度の暴力でできるものではありませんし、相手の手口もあまりに残忍です。私でよければ教えてください、相談に乗りますから」その二週間の出来事を、明里はほとんど覚えていなかった。医者によれば、重大なトラウマによって脳が防御反応を起こし、記憶を強制的に遮断したのだという。明里は微笑んだ。「大丈夫よ、もう過ぎたことだから」

  • 時の流れに抱かれて、彼女は消えた   第25話

    「それで?」明里は赤く滲んだ克成の両目を静かに見つめた。傷はすでにつき、してしまったことは取り返しがつかない。いまさら悔いたところで、どうにもならない。そのたった三文字が、四人の男の口を塞いだ。「明里、本当に……すまなかった」湊は「すまなかった」以外の言葉をどうしても見つけられなかった。明里は沈黙したままだった。もとより謝罪を受け入れるつもりなどない。時雨家にも、彼女に心から詫びねばならないような落ち度はほとんどない。時雨家への絆さえ除けば、彼らは彼女を特別に粗末に扱ったわけでもなかった。「もし、私を連れ戻すつもりで来たんだとしたら……もう帰っていいよ」その返答は彼らの期待を軽くかわし、それ自体が無言の答えとなった。明里は彼らを恨んでもいないし、赦してもいない。ただ距離を置いているだけだ。安幸が電話をかけると、すぐに外の警備が押し入ってきた。「まだ居座るつもりなら、出てもらうしかないよ。この国では、うちもそう甘くはないから」四人の男たちの視線は、揃って明里に注がれた。明里は何も言わず、そのまま安幸の判断を黙って肯定した。安幸が軽く指を振ると、警備員たちは四人を外へ連れ出した。その手つきはやや乱暴だったが、控え室にはようやく静けさが戻った。「先輩……僕のこと、嫌いにならない?」安幸はしゃがみ込み、腫れた明里の足首にそっと触れ、白い軟膏を指先で丁寧に押し広げた。彼は明里の前では完璧でありたかった。だが先ほどの、疲れ切った彼女の姿を見た瞬間、抑えきれずに隠してきた牙をむいてしまった。長い間封じ込めてきた厳しい一面を、とうとう見せてしまったのだ。もし安幸に尾があれば、きっと今ごろしょんぼりと垂れ、裁きを待っているに違いない。安幸のふわふわした髪を眺めながら、明里は思いがけず、そんな安幸の方がいつもより愛らしいと感じた。手を伸ばし、安幸の顎をそっと持ち上げる。怯えたような目をした彼に、明里は深いキスを落とした。唇の柔らかさに触れ、安幸は信じられないとばかりに目を見開き、息さえも詰め、これが夢でないようにと祈るように身を固くした。正気を取り戻した途端、彼は狂おしくキスを返し、貪るように明里の匂いを余さず吸い尽くした。病院のベッドに並んで座る二人の胸には、わずかな後ろめたさが残って

  • 時の流れに抱かれて、彼女は消えた   第24話

    公演は予定通り行われた。長い治療期間を経て、明里はついに再び舞台へと戻ってきた。高度な技を披露することこそ叶わなかったが、その身振りの一つひとつに宿る感情は、観客の心を深く震わせるには十分だった。幕が下りると、静寂がしばらく続き、やがて割れんばかりの拍手が押し寄せた。明里と安幸は視線を交わし、そろって挨拶に出る。その姿はため息が出るほど美しい、まさに理想の一対だった。舞台を降りた途端、明里は安幸に抱き上げられた。足首にはまだうっすらと腫れが残っていたのだ。道すがら、彼女を包んだのは花束と拍手の嵐だった。しかし、昴の姿が目に入った瞬間、明里の胸に緊張が走った。それはまるで、宿題を忘れて遊びに出かけ、偶然担任の先生に出くわしてしまった子どものような感覚だった。長男である昴は、明里にとって父親のような存在でもあった。もう二度と会わないと心に決めていたとしても、彼を前にすると底知れぬ恐れがせり上がってくる。「先輩を舞台に上げたのは僕だよ。叱るなら僕を叱って」安幸は明里を庇うように抱き締めた。この仲間の中で、幼い頃に昴の叱責を受けたことのない者などいない。誰が明里を連れ出そうとも、昴の烈火のような怒りを覚悟しなくてはならないのだった。だが今回は、昴の目は赤く潤んでいた。「明里……お兄ちゃんにも、会ってくれないのか?」震える声でそう告げる昴。電話で明里に面会を拒まれた瞬間、彼はただ呆然とするしかなかった。明里は俯き、静かに口を開いた。「お兄ちゃんは、いつでも私のお兄ちゃんよ。時雨家には育ててもらった恩がある。でも、それを返しきることはできないし、これ以上あなたの前に立って、迷惑をかけたくないの。あなたの言う通り、私が持っていたものは、もともと私のものじゃなかった。こんなにたくさんの日々を一緒に過ごせただけで十分だから……これからはもう迷惑をかけないわ。もちろん、もし時雨家に何かあれば、養女としての責任は必ず果たすつもりよ」明里が言葉を紡ぐたびに、昴の心は底へ沈んでいく。かつて彼が願ったのは、ただ明里が分別をわきまえ、自分を困らせないでほしいということだった。だが今、彼が望むのはただ一つ。かつて自分の傍らにいた明里の帰還だった。昴は喉を鳴らし、こみ上げる痛みを必死で飲み込んだ。

  • 時の流れに抱かれて、彼女は消えた   第23話

    「用件があるなら、電話で話して」明里は、彼らに会う必要などないと考えていた。電話の向こうはしばし沈黙し、やがて重い口が開いた。「陽葵は、時雨家の実の娘じゃないんだ」明里は思わず身を起こした。当時、陽葵が時雨家との親子関係を認められたときの騒ぎは、社交界全体を揺るがすほどだった。DNA鑑定書から、明里の母親と瓜二つの顔立ちに至るまで、その一つひとつが陽葵こそ時雨家の実子だと示していた。そうでなければ、あの由緒ある時雨家が、外の娘をそう易々と迎え入れるはずがない。しかし今になって、娘ではなかったと言うなんて──克成は続けた。「陽葵が属している組織は、上流階級の『行方不明児』になりすますことを生業にしている。DNAサンプルは本物の時雨家のお嬢様から盗んだもので、顔は整形だ。それに好みや生活習慣も、裏で徹底的に調べた情報を基に作り上げた。組織ぐるみの犯行だから、時雨家を欺き通せたんだ」続けざまに、克成の声が落ちた。「それから……陽葵のお腹の子は、俺の子じゃない」電話が一瞬沈黙し、明里は淡々と「うん」とだけ返した。克成は、別の反応をどこかで期待していたのかもしれない。だが沈黙の中の微かなノイズが、その望みをじわじわと掻き消していく。「明里……お前に会いたいって、お前のお兄さんたちが……」その言葉が終わりきる前に、キッチンから安幸の小さな悲鳴が上がった。「どうしたの?」明里は電話を遠ざけ、振り返った。安幸はそっと指を噛み、涙を浮かべていた。「大丈夫。先輩、ちょっと切っちゃっただけだから。大丈夫、大丈夫」「もう切るわ。会わない」明里は急いで通話を切り、救急箱を取り出して、慎重に安幸の指へ薬を塗った。安幸はうつむき、垂れた長い髪からほのかな花の香りが漂う。その仕草の一つひとつが、安幸の心をときめかせた。「先輩、数日後に僕のダンスの発表会があって……僕のパートナーになってくれない?」明里の手がぴたりと止まった。今の壊れかけた身体で、舞台に立てるはずがあるだろうか。いったいどんな踊りができるというのか、自分に果たしてその資格があるのだろうか。「安心して。最高の医者を探したんだ。この期間しっかり治療すれば、絶対に大丈夫だから」断られるのではないかという不安を隠せず、安幸は緊

  • 時の流れに抱かれて、彼女は消えた   第22話

    電話が繋がると、克成の声はわずかに震えていた。「明里、陽葵がお前に電話したこと……どうして教えてくれなかったんだ?」電話の向こうの明里だけでなく、そばにいた大介までもが息を呑み、沈黙した。かつて明里はいろいろなことを克成に話してくれた。だが、克成はそのどれも信じなかった。明里だけではない。三歳の幼い子どもでさえ、あれほど失望させられたら二度と振り返りはしない。「上杉さん、私たちは小さい頃から一緒に育った、ただの友達でしかないの。奥さんが私たちの関係を誤解しているだけ。それに……あなたが言った通りだわ。奥さんは、小さい頃から何も持っていなかった。私が彼女の立場も愛も奪ってしまったから、少しぐらい譲ってあげても構わない」明里は、凪いだ水面のように静かな声で言った。それは、かつて克成が雪の日に明里へ投げつけた言葉そのままだった。陽葵を抱き寄せ、分厚いコートをかけ、冷え切った瞳で明里を見下ろしたあの日。「婚約はもう解消した。俺たちは小さい頃から育ったただの友達だ。陽葵ちゃんが誤解しているだけだ。彼女は何も持たずに育ったんだから、お前が彼女の立場を奪った以上、少しくらい譲ってやれ」あの時、明里は雪の中に立ち尽くし、砕けた心が粉雪と一緒に風に舞ってしまいそうだった。胸は痛んだ。だが克成は、その痛みすら押し殺し、自分に言い聞かせたのだ。冷静になれ。徹底的に突き放せば、明里は現実を受け入れ、時雨家の養女として大人しく残るだろう。しかし、役に入り込み過ぎた結果、明里が家を、そして自分のもとを本当に去ってしまうとは思いもしなかった。しんと静まり返った通話の向こうから、不意に男の声が響いた。「先輩ー、着替え持ってきてくれない?あと、ボディソープ切れちゃったよ」続けて、明里の淡々とした声が落ちた。「上杉さん、もし用がないなら切るね」克成が言葉を挟むより早く、電話は冷たく通話終了の音を告げた。画面を見つめる克成の胸の内では、激しい炎が燃えさかっていた。安幸がボディソープを明里に持ってこさせる?こいつ、風呂に入っている?明里の家で?風呂上がりに……何をするつもりだ?次の瞬間、克成は携帯電話を握りつぶすように叩きつけた。そばの大介は肩を大きく震わせ、荒々しい怒気を放つ克成の横で、息を潜めるように気配を

Mais capítulos
Explore e leia bons romances gratuitamente
Acesso gratuito a um vasto número de bons romances no app GoodNovel. Baixe os livros que você gosta e leia em qualquer lugar e a qualquer hora.
Leia livros gratuitamente no app
ESCANEIE O CÓDIGO PARA LER NO APP
DMCA.com Protection Status