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川沿いに降り注ぐ霜如く

川沿いに降り注ぐ霜如く

By:  七月Completed
Language: Japanese
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和真の幼なじみが再び彼の助手席に乗ったとき、私は何も言わず、静かに後部座席へと移動し、彼の親友である景の隣に座った。 車が揺れるたび、私の膝は隣の男の引き締まった太腿に触れた。 わざと離さずにいると、彼も動かなかった。 途中、サービスエリアに立ち寄った際、幼なじみは和真にトイレへ付き添うようせがんだ。 車のドアが閉まった瞬間、景は私のうなじを掴み、唇を重ねてきた。 唇を奪われ、理性が溶けていく中で、ふと頭をよぎる。 男を疑い、男を理解し、男になる。 まさに、真理だ。

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Chapter 1

第1話

和真の幼なじみ、理子が再び彼の助手席に乗った。

私は何も言わず、後部座席のドアを開けようとしたが、ふと動きを止めた。

まさか、この短いドライブ旅行に、あの忙しい景まで参加しているとは。

すぐに気を取り直し、控えめに彼へと頷く。

景はメガネをかけ、どこか疲れた表情を浮かべていた。

彼はまぶたを持ち上げ、私を一瞥すると、軽く頷き、そのまま目を閉じた。

理子はシートベルトを締めながら、得意げに私へ向かって眉を上げる。

「桃歌姉、私、車酔いするから前に座るね」

和真も振り返り、私を見た。

「車酔いは結構大変なんだ。君も、こんなことでいちいち拗ねるな」

私は軽く笑い、「わかったよ」とだけ答えた。

彼は少し驚いたようだったが、それ以上は何も言わなかった。

なぜなら、その瞬間、理子が一口かじったパンをそのまま彼の口に押し込んだからだ。

「美味しくないから、和真兄が食べて」

和真は微塵も嫌がる素振りを見せず、当然のように半分食べた。

理子はバックミラー越しに私を一瞥し、舌をぺろっと出して笑う。

私は無視し、手元の炭酸水を開けようとした。

だが、キャップが固く、何度か回そうとしても開かない。

前の座席では、理子が自分の水を和真に差し出し、甘えた声を出していた。

「和真兄、開けて~。私、昔から力ないの知ってるでしょ?」

和真は得意げに、あっさりとキャップを開ける。

二人は一本の水を、交互に飲み合っていた。まるで人目を気にする様子もなく。

私は少し胸が悪くなり、水を置こうとした。

その時、隣からすっと伸びてきた男の手が、私の炭酸水を取り上げた。

黒のカジュアルスーツの袖口から、銀灰色のシャツのカフスがのぞく。

布地はしなやかに男の華奢な手首を包んでいた。

その手は美しく、骨ばっていて、指先まできれいに整えられている。

窓から差し込む光の中で、まるで白玉のように滑らかだった。
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