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第86話

Author: フカモリ
「ありがとうございます。これから、先輩方にはいろいろとご指導いただくことになります」

簡単な自己紹介の後、皆はすぐに打ち解け、交わされるのは専門的な話ばかりだ。

真琴も感慨深い思いだ。専門を離れてわずか三年で、装置製造がこれほど進歩しているとは。アークライト社が、思っていたよりも、さらにすごいとは。その事業内容は、驚くべきものばかり。

夕食が終わり、お開きになった時、智昭が真琴を送って帰る。

帰り道、彼は多くの専門的なことを話し、まるで一日で彼女が失ったこの三年間を、埋め合わせようとしているかのようだ。

真琴は真剣に聞いている。

車が芦原ヒルズの別荘の前に停まると、真琴はシートベルトを外し、丁寧に彼に言う。

「ありがとうございます、社長。それでは、私はこれで失礼します」

「ああ。早く慣れて、早く戦線復帰しろ」

「はい」

真琴は頷いて承諾し、ドアを開けて車を降りる。

智昭は車の窓を開け、再び彼女に挨拶をすると、車をUターンさせて去っていく。

車が遠ざかっていくのを見送り、真琴は振り返り、ようやく庭の門を開けて家に入る。

……

寝室の窓際で、信行は両手をズボンのポケットに突っ込み、平然と階下を見つめている。

その顔に表情はない。

階下のリビングで、真琴がそっとドアを開けて家に入った時、使用人たちはすでに寝ていた。

二階に戻り、寝室のドアを開けると、信行が部屋にいるのが見える。窓際から、彼が振り返る。

真琴は彼に驚かされた。

しかし、すぐに我に返り、かすかに微笑んで挨拶する。

「もう帰ってきましたね」

一週間も会っていなかった。また以前のように家に帰らないのかと思っていたが、まさか、また現れるとは。

動じることなく真琴を見つめ、信行は隣の棚からタバコとライターを取り、火をつける。

淡い煙の輪が、ゆっくりと口から吐き出され、彼は淡々と尋ねる。

「アークライト社へ行ったのか?」

「はい、今日、ちょうど初出社でした」

真琴は言う。

「お義父様に辞表に署名していただいたのです」

信行は灰を弾き、ただ真琴を見つめている。

その様子を見て、真琴は落ち着き払って彼に言う。

「会社を辞めた件は、お義父様が処理してくださいます。会社にも、あなたの仕事にも、影響はありません」

その時、信行はようやく可笑しそうに、少し笑う。

続い
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