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第4話

Author: 魚を食べないにゃんこ
私が何を言えばいいのかわからない。

たぶん気まずい空気をなんとかしようと思ったのだろう、麻奈美が先に口を開いた。

「じゃあ、あなたたちはお見合い成功ってことで?もう交際を始めたのかしら?」

私は慌てて説明しようとした。

けれど、その隣で京司はすでに頷いた。

思わず彼の方を向くと、彼は小さな声で呟いた。

「由希さん、あれは僕の初めてのキスでした」

周囲の三人は、まだ私の返答を待っている。

三つの期待に満ちた視線を向けられて、私は仕方なく頷いた。

……もう身の潔白を証明できない。

麻奈美の前で京司を押し倒してキスまでしてしまったのだから、どんな言い訳をしても無駄だ。

家に帰ると、京司からメッセージが届いた。

【由希さん、もし気が進まないなら、無理をしなくていいです。僕は大丈夫ですから】

それを読んだ瞬間、かえって申し訳なさで胸がいっぱいになった。

でも、冷静に考えてみると、私も損はしていない。

顔はいいし、性格も知っているから――試してみてもいいかもしれない。

こうして、私と京司は正式に付き合うことになった。

彼はよく私を迎えに来てくれて、遊園地や貸切風呂、乗馬やアーチェリー、サーフィンにも連れて行ってくれた。まるでエネルギーが尽きることがないかのようだ。

映画を観ている間も、彼の視線はずっと私の横顔に注がれている。

本当に従順で、まるで小さな子犬のようだ。

ただ――年下、ということだけが引っかかっている。

私がそう言うたびに、母の優子は決まって鼻で笑った。「若いっていいことよ。あなたはまだ、その良さが分かってないだけ」

「……」私は言葉を失った。

……

京司の誕生日の日、彼は早くから「夜、誕生日会に来て」と誘ってきた。

そういえば、彼に何もプレゼントをあげたことがない。

ちょうど手元にあったオークションの招待状を見て、そこでプレゼントを選ぶことにした。

今夜は、一千万円以上の価値がつく腕時計が出品されると聞いている。

京司の叔父は港町のM市で会社を経営しており、妻の体調の関係で子どもを持たず、京司を自分の息子のように可愛がっている。

つまり、京司の家は経済的に困っていない。

それでも、私は自分の気持ちとして買ってあげたい。

――まさか、その時計を狙っているのが久志の友人・有沢康哲(ありさわ やすのり)だとは思わなかった。

最初、彼は私に気づいていなかった。

数回の値上げを経て、私は三千万円の時点で札を上げた。

誰も上乗せしなかったので、落札した。

私が立ち上がると、康哲は驚いた表情でこちらを見つめた。

「由希?どうして君がここに?

三千万円で落札したのは君なの?」

私は軽く頷いた。

康哲は久志の友人の中ではまだ感じの良い方だが、特別に親しいわけではない。

今日は京司の誕生日なので、私は急いでいる。

康哲も私が車のキーを指先で回すのを見て、空気を読んだようだ。軽く挨拶をして去っていった。

……

京司の誕生日会はXクラブで開かれている。

K市最大規模の高級クラブで、プライバシーも万全。

私は一度帰宅し、スーツと白いシャツを脱いで、膝上丈のヌードピンクのマーメイドドレスに着替えた。

髪を軽く巻いて下ろし、メイクも少し濃いめに仕上げた。

京司が迎えに行くと言ってくれたが、彼の友人たちがすでに集まっていると聞いて、断った。

主役が抜けるのは良くないと思ったから。

手土産を持って個室の前まで行くと、ちょうど向かい側の個室の扉が開いており、中から久志の声が聞こえてきた。

K市は、一見広く見えるが、実は狭い――

偶然出くわすことも、まあ、よくあることだ。

中から康哲の声が聞こえた。

「久志さん、今日の午後、誰に会ったと思う?」

久志は中央のソファに座っており、私は彼の顔色をはっきりと見ることができる。

「誰に?」

康哲は笑いながら話を続けた。

「由希だよ」

久志の指先がわずかに震えた。

「彼女もオークションに来てて、腕時計を買った。

俺も欲しかったんだけど、何度か競り合ってね。そしたら彼女が三千万円まで出したんだ。

あれは男性用の腕時計だから、たぶん久志さんに贈るつもりなんじゃないかな」

久志はソファにもたれ、口元にほのかな笑みを浮かべている。

「あいつもずいぶん太っ腹になったもんだな。

頭を下げるためなら、三千万円まで惜しくないか」

康哲は酒を一口飲んだ。

「彼女は、あんなに久志さんのこと好きだったんじゃない。

三か月も連絡取ってないって聞いたけど、本当にこのまま終わりにするか?」

久志はかすかに笑みを浮かべた。

「ただの冷戦さ。

もうそろそろ頭も冷えただろうし、これで彼女も大人しくなって、自分の立場をわきまえたはずだ」

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