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第1410話

Auteur: 夏目八月
宮中の御書院では、まだ床暖房に火が入っておらず、ひんやりとした冷気がじわじわと忍び込んでいた。

上奏文はとうに読み終わっているというのに、清和天皇は今夜の伽の相手を決めることもなく、ただ眼前の薄暗い灯火を見つめてぼんやりとしていた。

玄武がさくらに宛てた手紙を読んだのだ。手紙には尽きることのない想い、語り尽くせぬ真情が綴られており、まるで新婚ほやほやの夫婦のように、蜜のように甘く、離れがたい様子であった。

彼らの手紙を読むのは初めてではない。以前にも恋しく思うと書いてはいたが、これほど「奔放で軽々しい」ものではなかった。

このような言葉は、口に出すのも気恥ずかしく、ましてや文字にするなど更に恥ずかしいことではないか。

弟のこのような振る舞いは実に不適切で、あまりに軽薄だと彼は思った。

女を口説く手段などいくらでもあるのに、なぜこのような真似を?

そう考えてはいたものの、心には小石を投げ込まれたような波紋が広がり、心の湖に幾重にも波が立って、どうしても鎮まらなかった。

この天皇という立場で、一体どれほど多くのものを失ったのか、彼には分からなかった。

男女の契りのようなも
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  • 桜華、戦場に舞う   第1663話

    紫乃たちが屋敷に客として滞在していることもあり、上原夫人はさくらの顔を立て、仲間たちを連れて都のあちこちを見物するのを許してくれた。その年の瀬も押し迫ったある日、家々が正月の支度に追われる中、一頭の駿馬が城門から皇城目指して駆け抜け、その鞍上の伝令が声を張り上げていた。「吉報!北冥親王様が邪馬台を奪還!北冥親王様が邪馬台を奪還なされましたぞーっ!」さくらは二反の絹を抱え、呉服屋の店先で、その伝令の叫びをこの耳で確かに聞いた。彼女の記憶では、あの人が邪馬台の戦地へ赴いた後、その進軍は破竹の勢いで、十余りの城を次々と奪還した。だが、最後は日向と薩摩で長く膠着し、そこへ平安京の軍が加勢したことで、さらに時が費やされたはずだった。以前の時間の流れならば、今頃はまだ両軍が睨み合っているはず……どうして、もう完全な勝利を?あの人が勝利を収め、邪馬台を取り戻すと信じてはいた。ただ、これほど早いとは思いもしなかったのだ。やはり、平安京の軍から横槍が入らなかっただけで、邪馬台の奪還はこれほど順調に進むものなのか。屋敷へ戻ると、さくらは母にその知らせを告げ、亡き父と兄のためにも酒肴を供えた。邪馬台奪還は、彼らの功績でもある。彼らがあの人に残した、羅刹国と戦うための経験があったからこそなのだ。二月、北冥軍が都へ凱旋した。さくらは城門まで出迎えに行きたかったが、母が正月から引いた風邪をこじらせ、まだ全快していなかった。母のそばで看病に付き添う彼女は、民衆の歓声に沸く城門へ向かうことができなかった。ただ、本当に、本当に、あの人に会いたかった。あと幾日かして、母の具合が良くなったら、自分から北冥親王の屋敷を訪ねよう、と彼女は考えていた。あの人は、自分たちが生涯を共にした夫婦であったことなど覚えていないだろう。でも、彼女は知っている。彼が邪馬台へ発つ前、この北平侯爵邸へ自分を娶りたいと申し出てくれたことを。今世では、自分から想いを告げに行ったって、構わない。しかし、まさかその翌朝だった。梅田ばあやが息を切らして報せに来たのは。北冥親王様が、なんと穂村宰相の奥様を仲人として伴い、正式に縁談を申し込みに来られたというのだ。お母様は、すでに広間で応対されている、と。さくらは昨夜、子の刻まで母を看病してようやく自室に戻った。だが、布団に入ってか

  • 桜華、戦場に舞う   第1662話

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  • 桜華、戦場に舞う   第1658話

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