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「タカマガハラ?」

مؤلف: 景文日向
last update تاريخ النشر: 2025-09-10 19:04:06

 翌日に蓮のところへ行こうと思っていたが、宗吾の一件でバタバタして遅れてしまった。そもそも身内に亡くなった人間がいる以上、神社に参るのはマナー違反だ。約二ヶ月、僕は怠惰な日々を過ごしていた。蒼麻は「兄さんのせいじゃないよ」と慰めてくれたが、自分で自分を責めてしまう。あの時、宗吾のことを助けることが出来たはずなのに。僕は愚かだ。

 神社の空気は、いつも澄んでいる。礼をして足を踏み入れると、「やっと来たか、大馬鹿者め」と声をかけられた。

「蓮……」

「貴様の事情はわかっている。弟が亡くなったらしいな」

 事実を改めて突きつけられ、気分が落ち込む。

「僕のせいです、思い上がっていたのかもしれません。今まで、挫折なんて知らなかったから」

 蓮は、瞬きしてから「そうだ」と肯定した。

「一成、貴様の思い上がりは確かにあっただろう。だが、悔いたところで弟が帰ってくる訳ではない。挫折は悪いことではない、経験すればもっと強くなれる。これは貴様に課された試練の様なものだ」

 いつでも手厳しいのが蓮だ。確かに、言っていることはわかる。だが、理性と気持ちは必ずしも一緒ではない。そんなに割り切れるほど、僕は強くないのだ。

「……その為に、宗吾が死ぬことはなかったのでは」

「甘いな、貴様は強いから少しのことでは挫折などしないだろう。弟の命は、考え得る限り貴様の中でかなり大事なものだったはずだ。それを失ってしまったからこそ、今貴様は岐路に立っている。もっと強くなるか、このまま立ち直れず生涯を終えるか。貴様は、どうする」

 考える。蓮としては、もっと強くなってほしいと思っているのだろう。だけど、僕は弟を失ってまで戦おうとは思えない。そもそも、平和が好きなのだ。好んで戦っている訳ではない。今まで幽霊を退治していたのだって、平和な世の中を保ちたかっただけなのだ。僕は、どうすれば良いのだろう。

「貴様がどうしようが、それは自由だ。だが、忘れるな。私の気は長くないぞ」

 蓮は、そう言い残すと姿を消した。僕に残された時間は、そう長くないだろう。とりあえず、家に帰って考えるか。ここに居ても、考えはまとまらないだろうし。

「兄さん、お帰りなさい!」

 今日も相変わらず蒼麻が出迎えてくれる。蒼麻だけでも、守り切らなくては。これ以上、命を失う瞬間を見たくはない。

「……兄さん?」

「あ、いや……何でもないです」

 不審がる蒼麻に背を向け、部屋に戻る。雑然とした空間は、今の僕の心境そのものだ。元々は整理好きだったのにな……。

 本当は、戦わなければ平和が訪れないことくらいわかっている。蓮と対面していた時には、その事実から目を背けていただけだ。蓮も、恐らくそれに気がついている。僕に必要なのは決心だ。それが出来れば、ここまで悩んでいないけど。

ベッドに寝っ転がって色々考えているうちに、眠りに落ちていた。夜になると、宗吾のことを思い出してしまう。目の前で起きた惨劇が、まだ脳に焼き付いている。それを振り払うように強引に起床し、違うことを考える。

 蓮は、これが試練だと言っていた。人の命が試練に使われたのか。僕はそんなに大層な人間ではないのに。駄目だ、思考がどうしても宗吾の件に向かってしまう。二ヶ月も経ったのに。それほどまでに、自分の中で大きな出来事なのだ。わかっているからこそ、この思考の沼から出られない。

「兄さん、母さんがご飯だって呼んでるよ」

 蒼麻がドア越しに呼びかけてくる。

「要りません、食欲がないので」

「そう……。兄さん、僕心配だよ。宗吾の件以降、ずっとその調子で。兄さんまで死んだら、流石に耐えられないかも」

表情はわからないが、弱々しい声の蒼麻。宗吾のことを、何だかんだで嫌いではなかったのだろう。僕以外にも彼のことを想っている人間がいるのは、救いでもあるかもしれない。

「僕は死にません、ただ……少し疲れているだけで」

「そうだよね、兄さんは死なないよね。僕もちょっと疲れてるのかも。ご飯食べてくるね」

足音が遠ざかっていく。やっぱり、蒼麻だけでも守らなくては。その為なら、戦闘もやむなしだ。戦うのは好きじゃないけど。

翌日。再び神社に向かう。蓮に、自分の意志を伝えるために。

「蓮、居るんでしょう。返事をしてください」

何もない空間にそう呼びかけると、景色が歪んだ。

「貴様がこんなに朝早くから、私の元に来るとは珍しい。何の用だ」

 そう問う蓮の表情は、柔らかい。僕の心を読んでいるのかもしれない。

「昨日の話の続きです」

「ほう」

 僕は深呼吸して、語り始める。

「僕は、正直に言うともう戦いたくありません。元々平和主義ですし。だけど、思ったんです。僕にはもう一人弟がいて……蒼麻っていうんですけど。蒼麻だけでも、守りたいって思うんです。僕の大事な存在を守るためなら、僕は戦います。蓮、貴方のことも」

 蓮は目を丸くしている。何か失言しただろうか。

「貴様は馬鹿か。私は自分の身くらい自分で守れる。……だが、貴様の決意は固い様だな。目を見ればわかる。よく言った。私は貴様を認めよう。この私が認めたのだ、負けなど許さぬ」

 蓮は、僕の胸を叩いた。

「一成、貴様はもっと強くなれる。私の修行を終えたのは、今まで貴様しか居ないのだから」

「そうなんですね」

 流してしまったが、蓮は過去にも弟子をとっていたのか。確かに修行は厳しかったが、それ以上に蓮の性格の方が難儀だろう。高飛車で、冷酷な時もあるし。

「……何か、この私に対して不敬なことを考えていないか?」

「いえ、そんなことは」

「ふん、まあ良い。寛大な私だ。何を考えていても許してやる、感謝しろ。ところで一成、貴様に客神きゃくじんだ。来い」

「……僕に?」

 僕に用事がある存在? 一体何だろう……。言われるがまま蓮についていくと、本殿の奥にある宿舎に通された。

「一成を連れてきたぞ、トリフネ」

「トリフネ……?」

 聞き覚えのない名前だ。この響きは、人間ではなさそうな気がする。蓮が襖を開けると、ブロンドの髪を肩の長さで切り揃えている白装束の姿が見えた。

「はじめまして。貴方が一成様ですね、お噂は高天原にも届いております。私はアメノトリフネ。名前の通り、本当は船です。どうぞよろしくお願い致します」

 トリフネはこちらに顔を向ける。蓮と瓜二つの顔をしているということは、血縁関係でもあるのだろうか。

「はあ……よろしくお願いします」

「挨拶はいい。貴様、一成に用事があると言っていただろう。用件を話せ」

 蓮は短気だ。その性分をわかっているのか、トリフネはすぐに話し始める。

「はい。蓮様の修行を無事終えられたとのことで、高天原の皆様は非常に驚いておられるのです。今までそんな存在は、神も含めいらっしゃらなかったので。

 そこで、我々は考えました。蓮様に高天原に戻って頂く際に、一成様もお連れして危機を救って頂こうと」

 何だか大それた話すぎて、現実味がまるでない。高天原に僕が? どんな場所かも知らないのに。そもそも、人間が行って大丈夫なのだろうか。

「高天原が危機とは、どういうことだ」

 蓮は、そこが引っかかったらしい。確かにそれも聞き捨てならない言葉だ。

「はい、実は蓮様には早急に戻って頂きたいのです。雷斗様が一足先に戻ってこられたのですが、やはりあの方だけではアマツミカホシに対抗しきれず」

 わからない単語が多すぎる。雷斗? アマツミカホシ?

「あの、蓮。雷斗というのは……」

「貴様には話したことがなかったかもしれないな。雷斗は、私と共に東国を平定した武神だ。地上で隠居したと思っていたが、高天原に戻っていたとはな。アマツミカホシは……敵なしだった私と雷斗が唯一敗北した、星の神だ」

 悔しそうに唇を嚙む蓮。僕よりずっと強い蓮でも、負けることがあるのか。というか、そんな敵は僕が行ったところで倒せるのだろうか。凄く不安だ。

「そういうことなのです。一成様の強さは、人間の域を超えているはずです。なので、私が天照大御神様のご命令でお迎えに上がりました」

 皆、僕を買い被りすぎだ。ここは正直に、自分の想いを伝えよう。

「……でも、僕は弟を見殺しに……」

「そんなことは誰も訊いていない。貴様に提示されているのは、私と共に高天原に向かい戦うか、否かだ。言っておくが、高天原の危機はこの世界の危機。貴様のもう一人の弟にも、危害が及ぶかもしれん」

 それは嫌だ。しかし、自分に自信が持てないのも本音だ。

「……僕が行って、邪魔になることは」

「蓮様が認める実力であれば、ないかと。何かを悔いている暇があるほど、人間の一生は長くないでしょう。弟様の無念を、アマツミカホシにぶつけてください」

 ……確かに、神から見れば人の生涯など一瞬だろう。どうやら選択肢はないらしいということも、わかった。

「わかりました。僕も高天原に行きます」

 なら、蒼麻を守るためにも。平和に過ごすためにも、僕は高天原の敵を倒そう。

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    「……お前、何を言っている?」 流石の雷斗も困惑しているが、僕としては名案のつもりだった。「一緒に暮らしていれば、侵攻もすぐ止められる。それに、天照大御神は慈悲に溢れているから、再教育もできる。どうです?」「なるほど……いや、しかし……」 雷斗は、すぐには反論できないようだった。「確かに、ええかもしれんなぁ。スセリは、うちと暮らしたい?」 天照大御神は、スセリヒメに問う。彼女的には、一緒に暮らしても問題はないらしい。 だが、雷斗と蓮の視線は冷たい。同じ神ではあるのに、差別が存在するのか。そういうところは、人間と変わらないのかもしれない。「……私……」「ん?」 天照大御神は、暖かい声色で続きを促す。「私が、暮らしてもいいの……?」 スセリヒメのその様子は、女性というよりか弱い女の子と言った方がしっくりくる。 見た目は全然そんなことはない。ないんだけど、表現するならという感じだ。「勿論やよ、親族として……と言いたいけど、それは難しいな。天照大御神、という高天原の長としてやろなぁ」「……正気なの?」 スセリヒメの声が震える。それがどういう心情なのかは、僕が推察できないほど深いものだろう。「うちはいつだって正気やで」 あっさりそう言ってのける天照大御神は、やはり器の広さが違う。だからこそ、最高神なのかもしれない。「……大国主とお父様には、どう言うのよ」 大国主。彼女の夫。そういえば、挨拶しなかったけれど……今は何をしているんだ? お父様ってことは、スサノオノミコトか。こちらは、天照大御神の弟だったよな?「ああ、それなんやけど……一成くん」「はい?」 急に名前を呼ばれたので、間抜けな返事をしてしまった。そんなことに構わず、天照大御神は続ける。「悪いんやけど、スセリと一緒に挨拶しに行ってくれへん? 大国主も、スサノオも悪い子やないし。スセリも一緒やから、穏やかに終わると思うで」「え、僕が……?」「うん。高天原の神は、根の国には降りられへんし」 そう言われてしまうと、断れない。スセリヒメも、心配そうに僕を見ている。蓮や雷斗の目線も突き刺さる。「……わかりました。一緒に行きましょう」「ほんま? 助かるわぁ」 途端に、弾んだ声でその場まで明るくなった。いや、それは多分錯覚なのだが……天照大御神である以上否定も出来ない。

  • 武神に認められた僕は、高天原の面倒事を処理することになりました   処遇

    「……スセリ」 すっかり勇ましくなったスセリヒメを、天照大御神は優しく抱き寄せる。「天照大御神様、根の国の者に触れては」 雷斗が慌てて制止しようとしても、彼女は聞く耳を持たない。「触らないで! こんな……こんな、醜い私を……」 スセリヒメでさえ、拒絶の意を表す。それでもお構いなしに、天照大御神は語りかける。「ごめんなぁ、うち……冷たすぎたな」 もう全員、黙るしかない。僕に至っては部外者だし。「高天原は、確かに大事やよ。でもな、血の繋がった姪も大事やねん」「貴女……今更何を……」 スセリヒメの声が震えている。低いけれど、前より情の伝わる声だ。「あんた、ホンマは高天原を壊したいわけやなかったんやろ?」 ……え? そうなのか? スセリヒメの方を見ると、涙を流しながら頷いている。「……そうよ。本当に、認められたかっただけなの……」 そうして、一連の事件の話をし始めた。「アマツミカホシをけしかけたのは、紛れもなく私。でも、それは貴女に私のことを認めて欲しかったから。どんな罰でも、望んで受けるわ。高天原から見た私が異物なのは間違いないわけだし」 認めた。一件の黒幕は、彼女だったらしい。 天照大御神は、それを聞いても表情を変えない。慈愛に満ちた眼差しのままだ。「うん、わかっとったよ。うちはね、立場上認められへんのよ。根の国に親族っていうの」「わかってるわよ」「でもな、スセリのことは大事に思っとるで。心の中では、ずっと昔から」「じゃあ、どうして」 嗚咽混じりになってきたスセリヒメが問う。答えはさっき聞いたような気もするけど、当事者だとまた違うのだろう。「やからね……」 天照大御神も、めげずに語りを続ける。彼女は本当に、忍耐の塊のような存在だな。 スセリヒメがひとしきり泣き終わった頃には、朝どころか昼になっていた。流石に眠い。 だが、こんなところで意識を手放したらどうなるかわからない。その一心で目を開けている。「……あの……」 そんな状況でも、突っ込みたいことはある。「僕は、もう帰っていいですか?」「ならぬ」 疲れ切っているのだから、もういいだろう。僕は部外者だし、留まる理由も本来ならない。 帰宅を拒否しているのは、蓮の方だ。確かに、蓮からすれば故郷。でも僕は違う。何の理由で引き留めているのだろうか。 「スセリヒ

  • 武神に認められた僕は、高天原の面倒事を処理することになりました   変容

     スセリヒメからは、香木の香りがする。何だかとても、懐かしい匂い。 ただ、肝心の神力の源らしい髪は狙えない。そもそも、この読みがハズレである可能性もあるのだが。「天照大御神、私だけど」 神殿の扉を開けると、予想外の光景が広がっていた。「……誰だ、お前」 雷斗だ。時間稼ぎは、どうやら成功だったらしい。 蓮の姿は見えなかったが、それは普段と姿が違うからだった。 フツノミタマ。有事には、蓮は神剣と化すらしい。 何も語らないが、それは物理的距離の問題かもしれない。雷斗とは話しているのかも。「私はスセリ。天照大御神の弟である、スサノオノミコトの娘よ」 スセリヒメの瞳から、少しだけあった光が消えた。「やからぁ、認めたらあかんのよ。それは」「……だ、そうだが?」 天照大御神の柔和な否定に便乗する雷斗。僕には触れてこないのも、雷斗らしい。「だから、認めさせるのよ。やっておしまいなさい、私の式神たち」 また髪を数本抜き、式神を形成するスセリヒメ。やはり、神力の源は髪っぽいな。雷斗か蓮に、それを気づかせるしかない。「式神使いか、面白い」 雷斗は何だか余裕そうに笑みを浮かべているが、捕らわれている僕はそれどころではない。「気をつけてください! 髪! 髪なんです、彼女の神力の源は」 雷斗の視線が、スセリヒメの髪に向いた。「一成……恩にきる」 短く言葉を発し、すぐ彼女の懐に潜り込む雷斗。悔しいけど、武神としては超一級だ。 僕ができないことを、すぐやってのける神なのだ。それは、蓮だって全幅の信頼を寄せる。「……余計なことを」 後ろに飛び退こうとしたスセリヒメの腕を掴んで、雷斗は引き寄せる。 その後は一瞬だった。 スセリヒメの腰まであった長い髪は、根本からすっぱり断ち切られた。 それと同時に、僕の拘束も解けた。神殿に、長い黒髪の束が落ちる。式神も、消え去ってしまった。 もう、長かった時代など想像もつかないほど勇ましい髪型になってしまった。風の刃は、彼女の髪を刈り上げてしまった。これじゃ、女神というより武神のような。  僕の見立てが当たっていたのは、幸いだ。これで間違っていたら、雷斗に何と言われるかわからない。 スセリヒメの変化は、髪型だけではなかった。「……神力が暴走しているな……」 いつの間にか人間体に戻った蓮が、そう呟く。

  • 武神に認められた僕は、高天原の面倒事を処理することになりました   拘束

     彼女はそう言うなり、何本か髪を抜いた。そして、それを手で握りしめる。 髪は形を変え、やがて人の姿へと変わった。「やっておしまいなさい、私の可愛い式神たち」 なるほど、これが彼女の手の内。 自分では戦わず、使い魔に倒させる。だから、一人でも高天原を壊せるのか。圧倒的な数の暴力だ。 何にせよ、ここではマズい。神殿が壊れた時、責任を負わなければならなくなるのは僕だ。それは避けたい。 後ろ姿は見せずに、段々後ずさる。「戦いはあかんよ〜」 天照大御神は、こんな時でも平和主義だ。正直、今はそれどころではない。 自分の神殿が破壊されるかどうか、という状況なのに。呑気なのか、それとも僕が考えつかない何かがあるのか。それはわからない。 そんなことより、まずはスセリヒメの戦い方を解析するところからだ。 髪を抜いて式神にした、ということは恐らく神力の源は髪。蓮や雷斗も、アマツミカホシ……記憶に新しいところで言えばタケミナカタも長かった。多分、基本的には髪と神力は一体だ。だから、力を削ぐには髪をどうにかすればいい……のだと思う。その、どうにかの方法を考えなくてはいけないのか。 切る以外にあるか? 長さが力と直結しているのであれば、それが一番手っ取り早い。 では、どうやって? 女性の体とはいえ、神だ。本来なら、僕と住む次元が違う。髪を切る隙なんて、当然だが存在しない。接近するのも危険だ。この仮説が合っているのかもわからないが、やる価値はある。いや、やるしかない。 ……フツノミタマって、アレは……蓮だよな。風神の力を持つフツノミタマであれば、意図しない形で髪を断ち切れるのではないか。となれば、今は防戦するしかない。神殿の外に出たし、逃げ回ってみよう。タケミナカタのように。 体をふわりと浮かせ、空を駆ける。スセリヒメ派当然ついてきた。いけるかもしれない。「喧嘩を売っておいて逃げるなんて、本当は自信がなかったのかしら?」「どうでしょうね」 どんどん加速していくと、彼女もそれに適応してきた。やはり、三貴紳の娘。莫大な神力だ。 僕の神力は無限じゃないから、効率的に使わなくてはならない。あと何時間したら、蓮達は来るのだろう? それさえわかっていれば、もっと上手く立ち回れるのに。「さて、お遊びは終わりよ。私が直々に葬ってあげること、感謝なさい」 結局、逃げ

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