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第6話

Author: 森野鹿乃
拓海はその場で少しためらったあと、私のほうへ足を踏み出した。

だが、わずか一歩進んだところで、背後から慌てた声が上がった。

「美月、美月!どうしたの?」

美月は目を閉じ、力なくベッドへ倒れ込んだ。

拓海はすぐさま向きを変え、迷うことなく美月のもとへ駆け戻った。

倒れ込んだ美月を抱き起こし、そのまま腕の中で支えた。

美月はゆっくり目を開けると、拓海の袖を弱々しくつかんだ。瞳には涙がたまっていた。

「拓海くん、はさみも鉗子も怖くて……そばにいてくれない?」

美月は拓海の肩越しに私を見て、声をかけた。

「お姉ちゃん……本当に怖いの。ほんの少しだけ拓海くんにそばにいてもらうこと、許してくれるよね……」

拓海もその視線を追って私を見た。声がわずかに和らいだ。

「千紘、美月の処置はすぐに終わる。もう少しだけ待ってくれ。終わったら、すぐに行くから……」

けれど、隅に横たわる私は、何の反応も示さなかった。

美月はつらそうに唇をかみ、涙をぽろぽろとこぼした。

拓海の目に苛立ちが浮かび、声が冷たくなった。

「千紘、今日はどうしたんだ?みんな何度も穏やかに説明したのに、まだわが
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