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第5話

Author: 森野鹿乃
息苦しさが消えた。

背中をむしばみ続けた痛みも、一瞬ですべてなくなった。

体は、これまでにないほど軽かった。

もう、どこも痛くなかった。

気づくと、私は呆然と宙に浮かんでいた。

下を見れば、隅のベッドに、私とまったく同じ姿をした体が横たわっていた。

その体は影の中で動かず、顔を壁側に向けていた。肌は恐ろしいほど青白く、唇は生気のない紫色に変わっていた。

そこには、もう命の気配がなかった。

私は自分の体を黙って見つめ、苦く笑った。

これが、死ぬということなのか。

一方、明るい照明の下にある処置室の中央では、美月が心地よさそうに母に寄りかかっていた。

顔色はよく、瞳まで輝いていた。

母は包帯を巻いた美月の腕をそっと持ち上げ、丁寧に撫でた。

「もう大丈夫よ。安心して。お母さんが痛くないように縫ったから、すぐによくなるわ」

拓海は隣で器具トレーを片づけながら、ときおり優しい目を美月に向けていた。

その光景が、ふいに記憶の中の情景と重なった。

けれど、大切に守られている人は、とっくに私ではなくなっていた。

反射的に手を伸ばし、母の肩に触れようとした。

だが、指
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