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第717話

Author: 一匹の金魚
「……」真衣は黙り込んでしまった。

今すぐ地面に穴を掘って潜り込みたい気分だ。

礼央は鋭敏で警戒心が強く、彼女が必ず盗み聞きに戻ってくることを知っているようだった。

だから余計気まずくなった。

礼央の視線が彼女を捉える。

「ただ通りかかっただけよ」真衣が言った。

「言い訳が上手いな」

礼央は手首を上げて時計を見た。

彼は本題に戻り、淡々と言った。「この後プロジェクトの入札情報が発表される。バンガードテクノロジーとは一切協業するな」

礼央は確かに顔が広く、情報通だ。

みんなはまだ入札情報を知らないのに、礼央はもうすでに把握している。

「どんなプロジェクトなの?」

「衛星プロジェクトだ」礼央が口を開いた。「バンガードテクノロジーの内部事情は外部でPRされているものとは違うんだ。

九空テクノロジーはかつて、バンガードテクノロジーとの協力関係を順調に進めていた。それは関係がまだ浅かったからだ。一旦長期にわたる安定供給が求められるようになり、需要が増えたら、彼らは対応できない」

真衣は眉をひそめた。

バンガードテクノロジーの内部事情を、彼はここまで詳しく知っている。

問題は、バンガードテクノロジーは現在何の問題も露呈しておらず、依然として業界のトップを走っていることだ。

彼らの技術も製造品質も格段に優れている。

礼央のこれらの話を誰に聞かせても、あまり信じられないだろう。

何しろ、バンガードテクノロジーは表面的には少なくとも今後数十年は業界のトップに君臨し続けるように見える。

礼央は片手をポケットに入れた。

彼は異常に冷静な目で真衣を見つめながら言った。「平穏に見えるものほど、その裏には汚れきっている。俺のこの言葉、信じるか?」

真衣は眉をひそめた。

彼の言葉に対して半信半疑の態度だ。

根も葉もない話ではないが、彼が本当にそんな親切にこの情報を教えてくれるのか、信じれなかった。

これまでの彼の言動を踏まえると。

礼央は真衣の味方にはならない。

「面と向かって言っても信じないのか?」

「情報をありがとう、よく自分でも考えてみるわ」と真衣が言った。

他社との協業については、安浩が担当しており、彼は慎重に検討し、協業するかどうかを判断する。

安浩は真衣に相談するが、最終的に決定を下すのは安浩であり、彼女は九空テクノロジーに
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