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第978話

Penulis: 一匹の金魚
真衣は自分が妊娠していた頃、礼央が同じように送り迎えしてくれたことを思い出した――

深夜まで残業して、病院を出ると、礼央が薄着のまま車に寄りかかって眠っているのを見かけたこともあった。

真衣が起こそうと近づくと、礼央はパッと目を開け、「お前を待つ間は、どれだけ長くても眠くはないよ」そう笑って言っていた。

あの時の礼央の目は輝いていて、声も優しさに溢れていた。それは今の留美に対する態度とまったく同じだった。

真衣の足取りは次第に遅くなり、胸にほろ苦い思いが広がった。

時に過去の遺物となる人や出来事が存在し、それは、心の中に埋められない後悔として残る。

「寺原さん、どうかしました?具合でも悪いんですか?」

留美が真衣の異変に気づき、振り返って尋ねた。

真衣は首を振り、足早にビルへ向かった。「大丈夫です。午前中に技術審査会があるので、前もって準備しましょう」

オフィスに入ると、同僚たちは既に仕事を始めていた。

真衣はカバンを置き、パソコンを立ち上げ、全ての感情を胸の奥に押し込めた。

過去の後悔に浸っていても意味がない。今すべきことは仕事に集中し、千咲の面倒を見て、自分の
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