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第2話

Auteur: 匿名
服が聿城によって引き裂かれそうになるのを見て、婉寧は慌てて力を込めて彼を突き放し、素早く天幕から駆け出した。

「寧女医(ねいじょい)、どうして出てきたのですか!聿城様の容態はどうなりました?」

天幕の外を囲んでいたのは皆、蕭聿城の近衛兵だった。婉寧が出てくるのを見ると、一人残らず焦りの色を浮かべていた。

「芳しくない。鍼では効果がなかった。すぐに姜副将(きょうふくしょう)を呼んできて!」

婉寧は固く衣を掴んでいた。北の地の寒さが厳しく、厚着をしていたことだけが今の救いであった。

「容態が悪いのに出てきてどうする?他人を呼びに行くなど、時間の無駄ではありませんか!」

「万が一、聿城様の体に何かあれば、一軍医のそなたに責任が取れるのか?」

体格の良い兵士たちが厳しい声で叱責するが、婉寧は一歩も動こうとしなかった。

幸いにも、誰かが浅吟を呼びに行き、ほどなくして人を連れてきた。

武人の装束に身を包んだ少女が馬から飛び降り、婉寧の前に立つ。

彼女は訝しげに尋ねた。

「寧女医、何のつもりだ?苦心して聿城の側仕えの軍医になったのは、王府に嫁ぎ、己の出世のためだろう?この機に乗じず、逆に私を呼びつけるとは、どういう意図だ?」

風雪が重くのしかかり、婉寧はまるで死ぬ間際のあの日に再び身を置いているかのようだった。

息もできぬほどの絶望が、彼女を襲う。

指を固く握りしめ、婉寧は浅吟を見上げた。

「貴女が早く入らなければ、中の御方は本当に危うくなる」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、天幕の中から苦痛を堪えるうめき声が聞こえてきた。

浅吟は顔色を変え、鞭で婉寧を打ち払うと、すぐに幕を上げて天幕の中へと入っていった。

まもなく、天幕の中から服が引き裂かれる音が聞こえてきた。

聞く者の顔を赤らめさせるような音だ。

男の低い唸り声と女の甲高い声に混じって、物が地に落ちる大きな音が響く。

二人の激しさが窺えた。

その愉悦の声は、まるで軒先から落ちる氷柱のように、婉寧の胸に突き刺さり、血肉を抉るかのようだった。

「しかし、我らの王も随分と猛々しいな。この声を聞け……やれやれ」

「中に入ったのが姜副将で幸いだったな。もし寧女医が残っていたら、あの細い体では、担ぎ出される頃には息もなかっただろう。そうなれば、高貴も何もない」

「……」

耳元で聞こえる近衛兵たちの卑猥な話も、婉寧の息を詰まらせた。

彼女はまるで精気を吸い取られたかのように、魂が抜けた様子で、よろめきながら主帥の天幕を離れた。

自分の暖かい天幕に入った途端、涙はついに堪えきれなくなり、競うように目尻から滑り落ちた。

最初は抑えた嗚咽だったが、やがて声を上げて泣きじゃくり、まるで前世と今世の全ての無念を吐き出すかのようだった。

その夜、主帥の天幕の灯りは一晩中消えることはなかった。

婉寧もまた、一睡もできなかった。

夜が明ける頃、彼女は身なりを整えて軍医の天幕から出ると、薬材を買い付けに行く馬車に便乗して陣営を離れ、城で最も大きな薬舗へ向かった。

薬舗の主人は彼女の姿を認めると、すぐに目を赤くして駆け寄ってきた。「姫様、どうして……このようなお姿に?」

婉寧は、自分の今の姿が見苦しいことは分かっていた。一晩中泣いたせいで、両目は赤く腫れている。

着ている服は浅吟の鞭で破られ、今はただ自分で数針縫っただけで、見るからに哀れだった。

もはや姫の面影はどこにもない。

薬舗の主人もまた他人ではなく、皇帝が幼い頃から彼女のそばに仕えさせた護衛の女官、素月(そげつ)であった。

婉寧を赤子の頃から見守り育ててきた者として、その痛ましさに心を痛めるのは当然だった。

だが、婉寧には彼女に事情を説明し、身の上を嘆く時間はない。

一度死んだ姫は、その胸に飛び込み、赤い目で声を詰まらせた。

「素月さん、父上に伝言をお願い。都に帰る、と!」

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