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第27話

Auteur: 花朔
紗夜の心が突然きつく張りつめた。

寒さのせいか、それとも別の理由か、自分でも制御できずに体が小さく震えた。

だが、文翔は何も言わず、浴室用のタオルを彼女に投げかけると、自分の衣類を手に取り、長い足取りでバスルームへと入っていった。

ドアが閉まる音が響くと、紗夜はようやく我に返り、ほっと小さく息をついた。

タオルで体を包み、ゆっくりと立ち上がり、パジャマに着替える。

バスルームからはシャワーの音が細く響いていた。

紗夜は浴室のドアをちらりと見やり、複雑な表情を浮かべる。

つまり、文翔は今夜ここに泊まる気?

しかし、紗夜はそれ以上深く考えなかった。

彼がどこで寝ようと、彼の勝手。

自分には関係のないことだ。

以前の彼女なら、彼が帰ってくるのを部屋で待ち、帰ってきたらすぐに駆け寄って、脱いだジャケットを受け取り、それを抱えて浴室へ行き、湯を沸かしてあげた。

そうすることで、自分が「妻」であることを実感できた。

けれど、彼のジャケットに甘ったるいバラの香水の匂いが漂うようになってからは、もう彼のジャケットに触れたくなくなった。

汚らしく思えたからだ。

紗夜は布団を
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