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第431話

Auteur: 花朔
しかし、先ほど瑚々に質問した際の、海羽の緊張した様子を思い出し、手術室の方へちらりと視線を投げると、一輝の瞳に思案するような光がよぎった。

彼はスマホを取り出し、秘書に指示して「紗夜が病院にいる」ことを海羽へ知らせた。

それを済ませる頃には、彼自身もすでに採血エリアに到着していた。

腕を差し出し、看護師に採血を任せる。

幸いにも一輝は間に合った。

血液バッグの中身が尽きかけたその時、彼の身体から一滴一滴抜き取られた鮮紅の血が、透明なチューブを伝って、紗夜の体内へと送り込まれていった。

時間は、ゆっくりと、しかし確実に過ぎていく。

文翔は手術室の外に立ったまま、微動だにせず、まるで彫像のようだった。

掌を強く掴みすぎて裂けた傷から血が指先を伝い、床へとぽたり、ぽたりと落ちる。

自分の血液型が紗夜と適合していれば――

そうでさえあれば、彼女を救えるのなら、自分の血をすべて抜かれても構わないのにと、彼はどれほど願ったことだろう。

しばらくして、瀬戸内家からも血液が二袋運び込まれ、看護師が急いで手術室へと持ち込んだ。

「紗夜ちゃんは?」

その時、切迫した女性の声が響い
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