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195:潮風と休息

last update Last Updated: 2026-01-06 20:13:06

 バルセロナを出港した翌日は、一日かけてフランスのマルセイユへと向かう、航海日だった。

 朝、目を覚ますと、窓の外には360度、見渡す限りの青い地中海が広がっている。船は白い航跡を長く引きながら、フランスへと進んでいた。

 私たちは、船尾にあるオープンデッキのレストランで朝食をとることにした。

 白いパラソルの下、テーブルにはパリッとしたリネンのクロスがかけられている。目の前には船が描いてきた白い波と、どこまでも続く青い地中海が広がっていた。頬を撫でる秋風が気持ちいい。

 朝食は豪華なビュッフェ形式だった。焼きたてのパンの香ばしい匂い、色とりどりの新鮮なフルーツ、目の前でシェフが作ってくれるオムレツ。その全てが、私たちの旅が特別なものであることと物語っている。

「パパ、いちご! あっちの、パンも!」

 帆波は目をキラキラさせながら、小さな指で次々と食べ物を指差す。

「帆波ちゃん、そんなに取ったら、お腹がびっくりしちゃうよ。まずは、このヨーグルトからにしようか」

 湊さんが娘の目線に合わせて屈み込み、優しく言い聞かせている。

 私は焼きたてのクロワッサンと、カフェラテを自分の皿に乗せた。

 テーブルに戻ると、湊さんは帆波が自分でスプーンを使えるように、小さな手を彼の大きな手で包み込むようにして、手伝ってやっていた。

「あなたは何にしたの?」

 私が尋ねると、彼は少し困ったように笑った。

「帆波ちゃんがパンケーキがいいって言うから、僕もつい、同じものにしてしまったんだ」

 彼の皿の上には、メープルシロップがたっぷりかかったパンケーキが三枚も乗っている。

「あなたはいつも、朝はフルーツとシリアルじゃない。帆波に付き合って甘いパンばかり食べていると、太るわよ」

 私が笑うと、彼も心から幸せそうに目を細めた。

「ママ、きょうはね、とかげしゃんのおともだち、つくるの!」

 帆波は昨日バルセロナで買ってもらった、カラフルなトカゲのぬいぐるみを抱きしめている。船内のキッズルームへ行くのを、今から心待ちにしているようだ。

 朝食のパ

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