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火車──カシャ──

Author: 葛葉龍玄
last update publish date: 2026-08-16 07:30:25

 親戚の葬儀ため、久方ぶりに田舎へ帰った。

 正月には酒を飲んだ赤ら顔で、楽しそうに話してるのをみたことがある。

 そして、いつも飼い猫を膝に乗せてそれこそ猫可愛がりしてたものだ。

 それくらいの親戚。

 この地方では、式が終わった後一晩は、ロウソクの火を絶やさない、という風習がある。

 遺骸をさらう物の怪が出るからだ。

 火車、と言ったか。

 祖父曰く

 死体にゃいろんなもんが詰まってる。

 その人が生前積んだ業とか福運なんかが、まだこびりついてるもんよ。

 奴らはそれが欲しくて、妬ましくて仕方がねぇのさ。

 その中で、なぜか僕がそのロウソクの寝ずの番を任された。

 とはいえ、特別やることはない。

 ロウソクの火を絶やさなければ、なにをしていてもいいのだ。

「にゃーお」

 猫が入ってきた。

 確かこの猫は、このおじさんの飼い猫。

 猫は何事もなかったかのようにその場に座る。

 じぃ、と遺体の顔を眺めていた

 そういえば、火車の正体は猫じゃないかと言われることもあるらしい。

 もしかしたらこの猫も……。

「にゃあ」

 猫は僕の顔を見て小さく鳴いた。

 僕は緊張していた。燭台を手に取り
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