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第5話

Auteur: 夢静か
私は彼の返事を待たず、一方的に言葉を続けた。

「今すぐ3人で病院へ行って、親子鑑定を受けましょう。もし玲那のお腹の子があなたの子じゃなかったら、喜んでふたりに謝るわ。でも、もしあなたの子だったら……その時は、離婚しましょう」

賢斗の瞳に信じられないという色がよぎり、やがて笑いに紛れて消えた。

「なつめ、それ本気で言ってるのか?」

彼が笑う理由は分かっていた。私が彼のもとを去るなど、微塵も信じていないのだ。

無理もない。彼と一緒になるために、大学時代のほとんどをすり減らして尽くしてきた女が、今さら彼を手放すはずがないと思っているのだろう。

初めて賢斗に出会ったのは、大学のアトリエだった。

期末課題を仕上げるために訪れたその日、誰かと話している彼の姿を偶然目にしたのだ。

彼は、体のラインも骨格のバランスも、まるで絵のモデルになるために生まれてきたように整っていた。

美術を学んでいた私は、初めて彼を見た瞬間から、この人を描いてみたいと思った。

そしてその気持ちは、結婚してからも変わらなかった。

けれど今、私は自分がまるで道化のように滑稽に思えてならなかった。

「賢斗。
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