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第6話

Author: キュートキャット
「瑠衣、お前もだ。来る時期が少し悪かった。次の休みを待っててくれ。会社がもうすぐ上場するから、今は気が抜けないんだ」

そう言うと、睦月は勝ち誇ったような目で私をちらりと見た。

私がまた嫉妬して騒ぎ立てるとでも思ったのか、湊は続けて睦月に言った。「瑠衣の帰りのチケットも一緒に取ってやっておいてくれ。俺の隣の席でな」

睦月が答える隙を与えず、私はすかさず口を開いた。「大丈夫。私……」

しかしその瞬間、遠くから轟音とともに大きな炎が立ち上がり、私の言葉はかき消された。

湊が眉をひそめる。「なんだ?」

睦月の茶色の瞳が妖しく光った。「イベントが始まったみたい。湊さん、早く見に行こうよ。瑠衣さんのことは私がやっておくから」

湊は明らかに私のことなどどうでもいいらしく、頷いて適当に二言三言睦月に伝えると、人の波に乗って歩き去った。

彼がいなくなると、睦月が本性を露わにする。腕を組んで私を見下ろしてきた。「瑠衣さん、離婚することにしたんですよね?それなのに人事に探りを入れて、わざわざ私たちを追いかけてくるなんて、何がしたいんですか?」

どうやら睦月は勘違いしているらしい。

だが、もうすぐ離婚するし、睦月に説明するつもりもなかった。

執拗に絡んでくる睦月は、目にどす黒い光を宿す。「どうしても邪魔したいっていうなら、湊さんがどちらを選ぶか見てみます?」

その瞬間、睦月は私の隙を突き、私を力一杯に突き飛ばした。

バランスを崩した私は、勢いよく燃え盛る火の上へと倒れ込んでしまった。

焼けるような熱さと痛みに、思わず叫び声が漏れる。

その声で、周囲の人たちが振り返った。

騒ぎを聞きつけた湊も駆け寄ってきた。私が炎の中に倒れているのに気づき、表情を一瞬凍らせ、助けようと向かってくる。

しかしすぐ横に、手を庇いながら顔をしかめている睦月の姿もあった。

「手、どうしたんだ?」

湊はすぐさま行き先を変え、睦月のそばに駆け寄り、心配そうに彼女の手を取った。

すると、睦月が泣きそうな顔で言った。「さっき……どうしてか分からないんだけど、瑠衣さんが自分から火の中に倒れ込んで。その火の粉がこっちまで飛んできて、手を火傷しちゃったの」

湊は痛々しい表情で、ただ赤くなっただけの睦月の手の甲にふうふうと息をかける。

それから、さっきの優しさが完全に消え去った冷たい目で私を振り返り、吐き捨てた。「瑠衣、嫉妬するのもいい加減にしてくれ。大人しくなったのかと思えば、こんなやり方で睦月を陥れるなんて。

今すぐ睦月に謝れ。じゃなければ、今すぐ帰れ。いいな?」

私は火傷で水ぶくれができた足を庇いながら、痛みで言葉も出せなかった。

すると、湊は私がわざと自分に逆らっていると決めつけた。「悲劇のヒロインのふりをしても無駄だ。今回はどう考えてもお前が悪い」

彼がまだ何か言おうとしたとき、民宿の受け付けから青年が歩いて出てきた。

「お客様、離婚届受理証明書が届いておりますよ」

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