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第4話

Author: 満福うつわ
朝、駐車場に着くと、あの一台のオフロード車がすぐに目に入った。

四人の荷物は、すでにすべて積み込まれていた。

私は何も言わなかった。

拓海は私に気づくと、無造作にスマホを差し出してきた。「11時発のバス。3時間だ。お前の分、もう買っといたぞ」

私は受け取らなかった。

莉桜がすかさず助手席から降りてきた。「今日は私が行くよ。結衣、この2日間ずっと一人でバスに乗ってるし……」

言い終わるや否や、幼馴染の二人が同時に眉をひそめた。「胃が治ったばっかだろ。あそこから先は山道ばっかりだから、また吐くぞ」

拓海も彼女の腕を引いて引き留めた。「お前がバスに乗るのは心配だ」

私はその傍らに立っていた。

ふと、一昨日のあの6時間かかるバスのチケットを思い出した。

拓海は私がなかなか受け取らないのを見て、苛立ったように急かした。「ほら、受け取れよ」

私は彼を見た。「今日は、乗りたくない」

四人は一瞬、ぽかんと固まった。

悠真が真っ先に反応した。「じゃあどうするんだよ?莉桜に行かせるわけにはいかないだろ」

「車が直るのを待てばいいじゃない」

「今日の予定が丸つぶれだろ?」

「レンタカーを借り直したっていいでしょ」

涼太が舌打ちをした。「たかが3時間だろ。そんな面倒なことするほどかよ?」

拓海も顔をしかめた。「結衣、こんな時にわがまま言うなよ」

私は彼を見つめた。

以前なら、この言葉を聞いた瞬間、すぐに弁解していただろう。

わがままなんかじゃない。ただ疲れているだけ。私だって辛い時がある、と。

けれど今回、喉元まで出かかった言葉たちを前にして、私は急に何もかも口にする気が失せてしまった。

私は彼のスマホを押し返した。「みんなで先に行って」

莉桜はまだ車から降りようとしていた。「じゃあ、結衣はどうするの?」

私は自分のスーツケースの持ち手をしっかり握り直した。「自分でなんとかするから」

悠真が笑った。「だから、こいつなら何とかするって言っただろ」

涼太も私に向かって手を振る。「じゃあ、夜にな」

拓海はしばらく私を見つめていた。「一応、チケットはスマホに送っとくからな。着いたら電話しろ」

私は頷いた。「わかった」

車が走り去った後、私はその場に立ち尽くし、長いこと見送った。

トランクの隙間から、私の日よけ帽子が半分外にはみ出て挟まっていた。

私は彼らを呼び止めることはしなかった。

ホテルに戻ると、私はまず今後の宿泊先や観光地の予約をすべてキャンセルした。

それから、昨日保留にしていたあの仕事のメッセージを開いた。

【お世話になっております。先日のポジションは、まだ募集されていますでしょうか?】

相手からはすぐに返信が来た。【ええ、まだ空いておりますよ】

私は数秒だけ手を止め、そして打ち込んだ。【それでは、ぜひお受けいたします】

メッセージを送信した後、私はスーツケースの荷造りを始めた。

帽子は取り戻さなかった。

車に置き忘れた上着についても、何も聞かなかった。

その日の夜11時、私はスーツケースを引きずって大学の寮に戻った。

ルームメイトは私を見るなり、ぎょっとした顔をした。「あんた、あと数日は旅行じゃなかったの?」

「予定を早めて帰ってきたの」

「拓海と喧嘩でもした?」

私は首を横に振った。「ううん。してないよ」

本当に、喧嘩なんてしていないのだ。

机の上には、拓海がここに置いていったイヤホンや充電器、それから服が二着、まだ残っていた。

私は段ボール箱を一つ見つけ、それらを一つ一つ詰め込んだ。

以前はどうしても捨てられず、引き出しの奥にしまっていた映画の半券やポラロイド写真。

それを取り出して、少し見つめた後、一緒に箱の中へ放り込んだ。

ひとつの段ボール箱すら、一杯にはならなかった。

午前0時。グループトークで、ようやく誰かが尋ねてきた。【結衣、着いたか?】

悠真が返した。【たぶんまだ怒ってんだろ】

莉桜が一言送った。【電話してみようか?】

拓海は数分置いてから言った。【放っておけよ。自分で気持ちを落ち着かせるだろ】

私はその言葉を見つめた。初めて、惨めさを感じることはなかった。

なぜなら、彼の言う通りだったから。

確かに私は、自分で気持ちを整理している真っ最中だ。

ただ、落ち着いたらまた彼らの元に戻るためではない。少しずつ慣れようとしているのだ。

これからはもう、二度と戻らないということに。

翌朝、私は大学での最後の卒業手続きを済ませた。

乗っていたタクシーが校門を出た時、拓海からようやくメッセージが届いた。

【今夜こっちに戻ってきたら、何食いたい?昨日は確かに悪いことしたな。美味いもの奢ってやるよ】

彼はやはり、以前のままだった。

食事を一回奢れば、一言機嫌をとれば、私がまた元通り、彼らの後ろをついてくると思っているのだ。

空港のアナウンスが響き渡った時、彼から電話がかかってきた。

私は出なかった。

スマホの画面が暗くなる直前、グループトークの中で、四人がまだ次の目的地について話し合っているのが見えた。

彼らはまだ、五人での卒業旅行の中に留まっている。

だが、いつも自ら追いかけていた私は、すでに荷物を引き、搭乗口へと足を踏み入れていた。

今度こそ、私だけの景色を見に行こうと思う。

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