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第3話

Author: 満福うつわ
民宿のオーナーが、相乗りの車を見つけてくれた。

3時間後、私はなんとか観光地へたどり着いた。

四人はちょうど昼食をとっているところだった。

テーブルの上に並んでいたのは、四人分の食器だけ。

莉桜が真っ先に私に気づいた。「結衣、やっと着いたね!」

悠真は手元の腕時計に目を落とした。「お前、遅すぎだろ。これ以上遅かったら午後から遊べなくなるところだったぞ」

私はテーブルの傍らに立ち尽くした。「私の分のご飯は、頼んでくれなかったの?」

四人は一瞬、きょとんとした顔をした。

涼太が先に口を開いた。「来る途中で食ったんだと思ってた」

莉桜が慌てて自分の器をこちらへ押しやってきた。「私の食べて。まだほとんど手をつけてないから」

拓海がすかさず手を伸ばし、それを遮った。「胃が治ったばっかなんだから、自分で食えよ」

そう言い放ってから、彼はようやく顔を上げて私を見た。「すぐそこにコンビニあるからさ、おにぎりでも買って腹の足しにしとけよ。夜は美味いもの奢るからさ」

昔なら、彼が夜に埋め合わせすると言えば、私の怒りはだいたい収まっていた。

私はこくりと頷いた。「……わかった」

コンビニには、おにぎりが二つしか残っていなかった。

窓際の席に座って、一人でそれを食べ終えた。

外に出ると、彼らはもう「早くしろ」と私を急かしてきた。

午後、莉桜が道路で写真を撮りたいと言い出した。

彼女が日差しが強いと言えば、悠真が日傘を取りに走る。

風が強いと言えば、拓海が彼女の肩に自分の上着をかける。

涼太はそばにしゃがみ込み、彼女のスカートの裾を直してやっていた。

カメラマンが声をかけた。「五人揃った写真も一枚撮りましょう」

彼ら四人は、無意識のうちに自然と身を寄せ合って並んだ。

私は歩み寄り、一番端っこに立った。

撮り終えると、莉桜は彼らを引っ張って写真の写りを確認しに行った。

拓海が振り返って私を呼んだ。「結衣、お前はどれがいいと思う?」

私はスマホで仕事のメッセージに返信しているところだった。「どれでもいいよ」

「お前、今日なんか元気なくないか?」

「車に長く乗ってて疲れただけ」

彼は「そう」とだけ返した。

莉桜が彼を呼ぶと、彼はすぐにそちらへ向かってしまった。

スマホの画面には、半月前に内定を出してくれた企業からのメッセージが映っている。

採用担当者からの問いかけだった。

【もしお考えが変わるようなことがあれば、またいつでもご連絡ください】

私はそれを長いこと見つめていた。

トーク画面を閉じず、バックグラウンドに残したままにした。

夜、民宿に着くと、ツインルームが二部屋とダブルルームが一部屋しか残っていなかった。

拓海が真っ先に口を開いた。「莉桜はダブルの部屋な。ここんとこ胃の調子悪いし」

幼馴染の二人も当然のように頷いた。

悠真が振り向いて私に尋ねる。「結衣、お前は俺と涼太の部屋でいいよな?エキストラベッド入れるから」

私は一瞬、耳を疑った。「……私が男二人と同じ部屋に泊まるの?」

彼は笑った。「何年の付き合いだと思ってんだよ。今さらそんなこと気にするのか?」

拓海も不満げに眉をひそめた。「たかが一晩だろ、そうやって余計な波風を立てるなよ」

フロントのスタッフが気まずそうに口を挟んだ。「あの、近くにゲストハウスもありますよ。歩いて10分ほどですが」

私は言った。「じゃあ、私そっちのゲストハウスに行く」

拓海は引き止めようともしなかった。「わかった。着いたら連絡しろよ」

私はスーツケースを引きずって外へ出た。

道の途中で、雨が降り出した。

これまでの私なら、こんな時は間違いなくグループに【誰か傘持ってきて】と送って、届けてもらっていただろう。

私はスマホの画面をつけた。

莉桜がちょうど、部屋の写真をアップしたところだった。

拓海が彼女のためにエアコンの温度を調整している。悠真は布団が十分に厚いか気遣っている。涼太は電気ケトルを探している。

私は再びスマホをロックした。

雨が少し弱まるのを待ってから、また前へと歩き出した。

ゲストハウスの入り口には数段の階段があった。

たまたま居合わせた見ず知らずの女性が、私のスーツケースが重いのを見て、ひょいと持ち上げるのを手伝ってくれた。「一人旅ですか?」

「友達と一緒です」

彼女は「へえ」と声を漏らした。「じゃあ、お友達は別のところに?」

「ええ」

彼女はそれ以上は深く聞かず、ペットボトルの水を一本私に渡してくれた。

夜の11時。

ベッドに横たわってから、グループトークに無事着いたと報告していないことを思い出した。

スマホを手に取ったが、またそのまま置いた。

翌朝目を覚ますと、グループトークの履歴は昨夜のままだった。

誰一人として、無事に着いたのかと尋ねてくる者はいなかった。

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