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第7話

作者: シシリン
それから、8年の歳月が流れた。

私が祖国の地へ降り立った日、季節はすでに秋の深まりを告げていた。

空港から手配されたハイヤーに乗り込む際、同じ研究チームの先輩がドアを開けてくれながら、からかうように笑った。

「結月博士、八年ぶりの帰国だけど、少しは緊張してる?」

私は静かに微笑むだけで、何も答えなかった。

スケジュールは分刻みで埋まっていた。

上層部が社運を懸けて推進する、海外からの最先端技術導入プロジェクト。その中核メンバーとして、私は翌日には新しい研究所での勤務をスタートさせた。

お昼休みのことだった。

オフィスの下にあるカフェでコーヒーのテイクアウトを待っていると、背後からひどく戸惑ったような声が聞こえた。

「……お姉、ちゃん?」

振り返ると、そこには杏奈の姿があった。

昔のような、庇護欲をそそる純真でか弱い少女の面影は、もうどこにもない。

仕立てのいいグレーのパンツスーツを身に纏い、控えめなメイクを施した彼女の顔つきには、社会の荒波に揉まれて培われた逞しさと、ほんの少しの疲労感が滲み出ていた。

あれから長い月日が経って。

よもや自分が、彼女とこうして
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