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第410話

Penulis: 山田吉次
片思い――

美羽は吹きつける風に頬を撫でられ、細かな鳥肌が立った。

それでもまだ、信じられない。どうやって、その真偽を確かめればいいのだろう?

彼女はふと、あの日のことを思い出した。家庭料理の店に彼を招いたとき、翔太は「手紙の束」のことを尋ねてきたのだ。

その時も、彼が妙にその話題を気にしているように思った。

今になって考えると――もしかして、あの頃、彼もまた自分にラブレターを書いていたのではないだろうか?

美羽はハッと立ち上がった。まつげがかすかに震え、思い当たった。あの手紙の束、確か家に置いてきた――奉坂町の実家だ。

彼女はすぐに星璃へ電話をかけた。「星璃、もう出発した?」

「ちょうど出るところ。どうしたの?」

「一緒に星煌市へ戻りたいの。いい?」

星璃は少し間を置き、「いいわ。今、さっきのレストランの前にいる?」

「うん」

「すぐ行く」

ほどなくして、車が到着し、美羽は助手席に乗り込んだ。

星璃がちらりと美羽の横顔を見て、静かに尋ねた。「……夜月社長のことで?」

美羽の心臓が妙に早く跳ねた。この、信じがたい話の真偽をどうしても確かめたかった。唇をきゅっと結び、「……うん」と答えた。

この時間に二人が車で星煌市へ戻ると、高速道路は渋滞もなく、道は終始スムーズだった。

奉坂町に着いたのは、午前二時過ぎ。

星璃が提案した。「今夜は一晩、うちに泊まったら?夜中に帰ったら、ご両親が驚くわ」

美羽は首を振った。「確認したいことがあるの。確かめないと、たぶん眠れないわ」

星璃はそれ以上何も言わず、静かにうなずいた。

……

美羽はバッグから家の鍵を取り出し、自分で玄関を開けた。

この時間、父も母も、そして家政婦もすでに寝ていた。

彼女はスマホのライトをつけ、まっすぐ屋根裏へ向かった。

引っ越しの際に多くの物を処分したが、大事なものはできる限り残してある。手紙の束も、たしか捨てなかったはずだ。

屋根裏の隅には、彼女の学生時代のものが詰まった段ボール箱がいくつか積まれていた。

美羽はそれらを一つひとつ開けて探していたが、どうしても物音がしてしまった。

それを聞きつけた家政婦は、泥棒が入ったと思ったのか、片手に懐中電灯、もう片手に包丁を握りしめて屋根裏へ上がってきた。

「誰なの!?」

美羽は慌てて顔を出して言った。「私です
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