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第8話

Author: みずのは
顔が一気に熱くなった。

ちょうど改札の案内放送が流れたため、小さく返事をして、その場から逃げるように駆けだした。

背後ではすぐに、琴葉が律希をたたく音と、兄妹の言い合う声が聞こえた。

家へ戻った時点で、入学式まであと1週間だった。

必要なものを買いそろえ、東央へ進学する友人たちとも、何度か食事をした。

私が一人で南陵大学を選んだと聞くと、皆は初めこそ信じられない顔をしたが、やがて大きくうなずいた。

「ひより、私も朔たちとは離れたほうがいいと思う」

「朔は誰にでもいい顔をするし、汐里は人を振り回す。あの二人と一緒にいたら、ひよりが消耗するだけだよ」

二人に否定され続け、自分には何の取り柄もないと思い込んでいたころを思い出す。

私は笑ってグラスを上げた。

「うん。これからは、きっとよくなるよ」

友人たちに別れを告げ、あっという間に出発前日になった。

荷物の最終確認をしていると、インターホンが鳴った。

玄関を開けると、思いがけない人が立っていた。

「ひより、お土産をたくさん買ってきたぞ!」

私が返事をする間もなく、朔は大きなスーツケースを引いて家へ入ってきた。

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