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第26話

Autor: 青葉凛
病院をあとにした紫音は、その足で蘭を呼び出し、オフィスへと向かった。未完了の業務引き継ぎを、淡々と進めるために。

オフィスに到着すると、既に蘭が待ち構えていた。彼女は紫音の姿を見るなり、その異変を敏感に察知したようだ。「紫音さん、顔色が優れませんが……また、あの人が何か?」

心配そうに覗き込む蘭に、紫音は薄く笑って首を横に振る。「平気よ、心配しないで。それより、私の特許関連の資料を整理しましょう。あれはこの先も私が手掛けていきたい最重要案件だから」

その特許技術は、紫音が数え切れないほどの徹夜を重ね、心血を注いで完成させたものだ。清也はノータッチであり、正真正銘、紫音だけの成果物である。だからこそ、これだけは絶対に譲れない。

「……承知しました」蘭はまだ心配そうな顔をしていたが、二人はすぐに作業に取り掛かった。

しばらく書類をめくる音が響いていた室内で、突如、蘭の悲鳴のような声が上がった。

「紫音さん、これは一体……!」

蘭は開いた口が塞がらないといった様子で、一枚の書類を突き出してくる。

受け取ったファイルに目を落とした紫音の表情が、凍りついた。紫音の所有であるはずの
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