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第5話

Author: ニタマゴ
その結婚式の招待状は、まるで未桜一人のために用意されたもののようだった。

そこにはただ、【水原香澄(みずはら かすみ)より、桐生未桜さんのご出席を心よりお待ちしております】とだけ書かれていた。

それ以外には、何の記載もなかった。

未桜は香澄のことを知っていた。

大学時代の先輩で、かつて晃平に想いを寄せていた女性だ。ただ、その頃にはすでに晃平と自分が付き合っていた。

しかし、自分は彼女とそんなに仲がよかったわけじゃなかったのに、どうしてこれを?

未桜はさほど興味もなく、なぜ自分にこんな招待状が届いたのか、不思議に思っただけだった。

母親には【時間がない】と返信し、そのまま直樹の部屋へ向かった。

ドアを開けて中に入った途端、直樹が勢いよく彼女を抱きしめた。「未桜、やっと来てくれた!僕、怖くてたまらなかった……」

直樹にきつく抱きしめられ、未桜の体がわずかに強張った。

それでもすぐに我に返り、彼女は男の腕の中から身を離した。

「直樹、ちゃんと立って」

顔を上げて見ると、直樹は薄手の白いシャツ一枚しか着ていなかった。

濡れた髪が耳元に張りつき、目尻は赤く染まっている。
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