艶撫亮~embryo~

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last updateLast Updated : 2025-12-29
Language: Japanese
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産科の看護師として勤める唯織の自宅に、腐敗した赤子の死体を放置される。 犯人はすぐに見つかるも、「子供を授かるつもりはなかった。ただ恋物語を購入しただけだ」と意味不明な言葉を残す。 唯織は同居する歌手の亮にも依頼し、恋物語の購入とは何か調査を開始する。 だが亮の前に謎の美女の沙耶が現れ、彼は自らの顔面を破壊するまでに至る。 唯織は沙耶の背後に恋物語を売る謎の集団の存在を察知するが、彼女の前に夢人葵という全身包帯まみれの男が現れ、物語はあらぬ方向へと転がってしまい……。 彼らの行く先には何が待ち構えているのか? 令和の時代に更新された唯美主義的ミステリーをぜひ堪能してください。

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Chapter 1

第一章 赤茶色の赤子死体。私の前で目覚める

   ♢ 唯織

外廊下の照明が明滅しそろそろ寿命だと主張している。

一匹の赤茶色の蛾が羽ばたき、カサカサと寂し気な音を立てる。

二十一時、

帰宅すると自宅のドアノブに見たことない大き目のデパートの紙袋が提げてあった。

袋は中に入っている物によってこんもりとし、

表面に皺を作っている。

黒の油性ペンで「本間唯織様へ」と書いてある。

同居人の亮宛でなく私宛のようだ。

部屋の中で内容物を確認してみようと手に取ると異様に重量があった。

重みが余計に正体不明な物体に不気味さを与える。

自室の椅子に腰かけて中を確認すると黒いゴミ袋が何かを包んでいた。

ゴミ袋に覆われた謎の物体に恐る恐る手を伸ばすと、

ニュッと指が何の抵抗もなく食い込んだ。

個体と液体の中間のようで気持ち悪く急いで手を離した。

大きなヒルに触れたみたいだ。

不愉快な気分と同時に、

何が入っているのかと好奇心も沸く。

不快感と不安と興奮による体温の上昇から汗を首筋に流す。

一度呼吸を整えて慎重に紙袋からゴミ袋を取り出す。

黒いゴミ袋の中にも黒のゴミ袋が見え、

中の物体は何重にも包まれていた。

袋を外すたびに甘さと酸を含んだ粘性の強い刺激臭が漏れ出た。

焦燥と恐怖が鳥肌になって二の腕に現れる。何かが腐っている臭いだ。

一つの最悪な可能性が頭に浮かぶ。

まさかそんな訳ないだろうと悪い予想を否定しながら袋を外していく。

一枚外すごとに鼓動は早まる。

遂に最後の一枚になった。

途中我慢できなくなり、

マスクを三重に装着した。

激しく震える手で袋の口を慎重に開け中を覗き込む。

思わず声が出た。

何匹もの黒くて小さなハエが袋から飛び出て来た。

茶色くテラテラした謎の液体が揺れる。

液体を正体不明な固体がまとわりつかせる。

目の神経までも蹂躙するような強靭な腐敗臭に苦しみながら瞼を開き、

固体の正体を確かめる。

袋の底を手で持ち上げて塊を詳察する。

塊の表面は赤い葉脈のような線が浮かび、

全体は青紫色の草臥れた茄子みたいな色。

表面を覆うオブラートと羊皮紙の中間みたいな薄茶色のゼリー状の膜が剥がれ落ち、

茶色い液が流れる。

何匹もの蛆と交るように、

塊から細くて小さい骨が突出しているのを発見した。

驚嘆が喉の奥に引っかかって息ができない。

私の抱いていた最悪な予想が当たった。

どう見ても塊は人間の腐乱死体だ。

大きさから考えると生まれたての赤ん坊が妥当だ。

全身に悪寒が走る。

鼓動がますます激しくなり耳の中でゾッゾッと暗い音を立てる。

体の震えが止まらない。

現実を拒絶したい気持ちと受け入れて耐えようとする自尊心が衝突する。

なぜ私の自宅に赤ん坊の死骸など放置されたのか。

産科の看護師として働いているので、

何かの因果がある気がする。

何かしただろうか。

腐敗臭と飛び交うハエに我慢できなくなり、

物体を何枚もの袋で包み直す。

虫や死体と一緒の空間に居るのも気分悪く、

足をふらつかせながらベランダに出た。

六月の湿気の多い空気の中、

滲むように光る住宅の窓が目に染みる。

手で目元を拭うと無意識に涙が流れていた。

なるべくショックを受けないようにと自己暗示をかけていたが体は正直だった。

しばらく涙が止まらずベランダで蹲っていた。

何でせっかく生まれてきてくれた赤ん坊が、

こんな悲惨な姿で死なないといけないのか。

誰かに殺されたに違いない。

犯人を絶対に許さない。

この事件を一人では抱えられず、

誰かに話して少しでも楽になりたかった。

ようやく涙が落ち着いたのでスマホで宮田さんに電話をかけた。

「宮田さん、

今お時間良いですか。

ちょっと事件がありまして」

私よりも三つ歳上で二十八歳の先輩ナース宮田さんは、

いつも冷静で仕事ができて頼れる女性だ。

温い風が吹いて冷や汗をかいた額を乾かす。

声が震えていたようで宮田さんから落ち着いて話すように言われる。

「実は今、

うちの玄関のドアノブに赤ちゃんの腐乱死体を放置されたのです」

帰宅から今までの状況を説明すると余計に異常さが客観的に理解できた。

「警察には連絡したのですか」

動転しすぎて警察に連絡する必要を忘れていた。

「まだです」

「とりあえず警察に連絡してください。今から私も本間さんの家に行くから」

通話を切ると一抹の安心感からその場で座り込んだ。

やはり宮田さんは頼りになる。

同居している亮とは大違いだ。

亮は売れない歌手で恐らく今もスタジオにいるはずだ。

学生の時同じ教室で過ごしていた頃からいつもオドオドし、

何か役に立つとは思えないが同じ恐怖を感じずに呑気に過ごしている現実に腹が立つ。

警察や宮田さんを待つ間、

ベランダで温い風に当たっていると少し冷静さを取り戻した。

誰が犯人なのか。

考えていると一人心当たりのある人物がいた。

──山本優香。

つい二ヶ月前に見た彼女の我が子に向ける敵意に満ちた赤黒い視線は記憶にこびり付いている。

だが、

子供への愛情のなさだけではなく、

看護師である私の家にわざわざ放棄する恨みの源は何か。

ふらふらと立ち上がり、

ベランダの手すりに両腕を乗せて目を瞑る。

嫌に静かでジメジメした夜だ。

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第一章 赤茶色の赤子死体。私の前で目覚める
   ♢ 唯織外廊下の照明が明滅しそろそろ寿命だと主張している。一匹の赤茶色の蛾が羽ばたき、カサカサと寂し気な音を立てる。二十一時、帰宅すると自宅のドアノブに見たことない大き目のデパートの紙袋が提げてあった。袋は中に入っている物によってこんもりとし、表面に皺を作っている。黒の油性ペンで「本間唯織様へ」と書いてある。同居人の亮宛でなく私宛のようだ。部屋の中で内容物を確認してみようと手に取ると異様に重量があった。重みが余計に正体不明な物体に不気味さを与える。自室の椅子に腰かけて中を確認すると黒いゴミ袋が何かを包んでいた。ゴミ袋に覆われた謎の物体に恐る恐る手を伸ばすと、ニュッと指が何の抵抗もなく食い込んだ。個体と液体の中間のようで気持ち悪く急いで手を離した。大きなヒルに触れたみたいだ。不愉快な気分と同時に、何が入っているのかと好奇心も沸く。不快感と不安と興奮による体温の上昇から汗を首筋に流す。一度呼吸を整えて慎重に紙袋からゴミ袋を取り出す。黒いゴミ袋の中にも黒のゴミ袋が見え、中の物体は何重にも包まれていた。袋を外すたびに甘さと酸を含んだ粘性の強い刺激臭が漏れ出た。焦燥と恐怖が鳥肌になって二の腕に現れる。何かが腐っている臭いだ。一つの最悪な可能性が頭に浮かぶ。まさかそんな訳ないだろうと悪い予想を否定しながら袋を外していく。一枚外すごとに鼓動は早まる。遂に最後の一枚になった。途中我慢できなくなり、マスクを三重に装着した。激しく震える手で袋の口を慎重に開け中を覗き込む。思わず声が出た。何匹もの黒くて小さなハエが袋から飛び出て来た。茶色くテラテラした謎の液体が揺れる。液体を正体不明な固体がまとわりつかせる。目の神経までも蹂躙するような強靭な腐敗臭に苦しみながら瞼を開き、固体の正体を確かめる。袋の底を手で持ち上げて塊を詳察する。塊の表面は赤い葉脈のような線が浮かび、全体は青紫色の草臥れた茄子みたいな色。表面を覆うオブラートと羊皮紙の中間みたいな薄茶色のゼリー状の膜が剥がれ落ち、茶色い液が流れる。何匹もの蛆と交るように、塊から細くて小さい骨が突出しているのを発見した。驚嘆が喉の奥に引っかかって息ができない。私の抱いていた最悪な予想が当たった。どう見ても塊は人間の腐乱死体だ。大きさから考える
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恋物語の購入とは? ──悲惨な調査の始まり──
「犯人捕まったね。でもまさかの犯人でしたよね」昼休憩の時間、木目を基調としたデザインの食堂で麦茶を飲んでいると、宮田さんが私に声をかけて来た。赤ん坊の死骸を見てから一週間経つ。未だにまともに食事が喉を通らない。最近ようやく昼はうどんを何とか啜れるようになった。宮田さんは私よりも頭一つ分くらい背丈は低いが、肩幅のある骨格に丸顔の柔和な輪郭を持ち、強さと優しさを感じる。どちらも優秀な看護師に必要な要素だ。実際に彼女は外見だけでなく仕事にも表れている。私自身も仕事にプライドを持っているが宮田さんは一番尊敬する先輩だ。「ですね。私も全然予想していなかったです」昨日の夜、警察から山本さんの旦那が自首したと知らされた。「動機も全く理解できないのよね。それが余計に気持ち悪いんですよ」宮田さんは鯖の味噌煮の骨を箸で取りながら顔をしかめていた。彼女の意見に完全に同意だ。警察から伝えられた犯人の発言を思い出す。──山本との恋愛物語を購入しただけで、子供なんて作るつもりはなかった。犯人の自首によって捜査が続いているのかは不明だが、動機についてこれ以上詳しく教えてはくれなかった。恋愛物語の購入とはどういう意味か全く理解できない。誰から購入し、どういった商品なのか。恋愛物語を買ってなぜ私の自宅前に死体を置かれたのか。何もかもが謎のままだ。「何で私の自宅の住所を山本さんの旦那は知っていたのですかね」渋面を作っている様から宮田さんも同じく分からないようだ。「本間さん、今は色々大変かもしれないけど頑張るしかないんですよね。亡くなった子のためにも看護師として頑張るって気合入れよ」 宮田さんの言葉に感謝して食堂を出た。二か月ほど前まで山本さんが入院していた部屋に向かう。白く掃除の行き届いた廊下を歩き、薄いピンク色で塗装された引き戸を開けた。今は誰も使っておらずもぬけの殻だ。 空のベッドが静かに自重しているように見える。恋物語の購入……。山本さんの入院時の様子を思い返す。──私みたいな下らない人間から生まれて来る人間も、下らないに決まっている。入院中、山本さんがベッドに潜りながら吐いた言葉だ。初めての出産で戸惑っているのだろうと私も宮田さんも判断していたが結果は悪い方に転がった。山本さんは強いボンデ
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第二章 藤沢亮の登場。今は呑気にしているも……。
   ♠ 亮帰宅すると部屋の中は真っ暗で唯織は帰っていなかった。確か今日は朝からいなかったので昼勤のはずだ。既に二十一時半、まだ帰って来ていないのは珍しかった。大体二十一時までには帰っており、居間で筋トレをする習慣がある。彼女は同じ高校の同級生だ。学生の頃にシュートボクシングの選手として日々汗を流しており、高校を卒業してから七年間恐らく筋トレは欠かしていないほどストイックだ。高一の時の夏に協会が主催する試合で負けてから、負けず嫌いに拍車がかかったと言っていた。俺は特に体に気を使っていないので、夕食用に買っておいた一食五百円の焼きそばを作る。パソコンを起動させて途中になっていた曲作りの打ち込みを再開する。明日は横浜駅前の広場で歌手藤沢亮として路上ライブを行う。俺は売れていないアーティストだ。このまま売れないで死ぬわけにはいかないと常に焦りを抱いている。時間があれば音楽のことを考え、毎日曲作りをするように意識している。焼きそばを箸で突きながら必死にキーボードを叩いていると、背後から施錠を解く音が聞こえた。ようやく唯織が帰宅したようだ。おかえりと挨拶しても、うんと一言淡泊な言葉が虚しく響くだけだ。唯織が冷たいのはいつものことなので特に不満を抱きはしない。だが、悲しみがゼロだと言えば嘘になる。売れていない歌手である俺を一人前の人間だと認めていないに違いない。唯織は毎日看護師としてプライドを持って仕事に向かっている。売れずに何も価値を生み出せない俺に負の感情を抱いてもおかしいとは思わない。悲しい現実ではあるが、結果を出していない俺が悪いので文句を言う筋合いなどない。現状を変えるためには歌手として売れるしかないので、毎日必死で曲を作って路上ライブを敢行し実践を積むしかない。「亮さ。『生きとし生けるもの合同会社』って聞いたことないかな」振り返ると唯織は椅子に座って腕を組んでこちらを見ていた。顎が細くて唇は薄く奥二重の目が冷酷そうに見えるが、仕事に対して誰よりも情熱がある人だ。「聞いたことのない会社名だよ。それがどうかしたの」「この前さ、うちに赤ん坊の死体置かれたじゃん」一週間ほど前、うちに赤ん坊の死体を放棄される事件が起きた。その夜スタジオに籠っていたので直接目にはしていないが唯織から
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甘々な謎の美女、沙耶。桃色の妖しい光
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last updateLast Updated : 2025-12-27
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