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第8話(43)

Auteur: 北川とも
last update Dernière mise à jour: 2025-12-11 17:00:24

 熱い吐息をこぼしながら和彦は、三田村の逞しい欲望に舌を這わせる。何度も根元から舐め上げ、ときおり舌を絡みつかせ、吸い付き、ひたすら三田村の快感のために尽くす。

 三田村にこの愛撫を施すのは、初めてだった。いままで、和彦のものを丹念に愛してくれながら、三田村は自分がされることを望まなかったのだ。なんだか申し訳ない、という理由は、いかにも三田村らしいと言える。だが今日は、和彦が頑として聞き入れなかった。

 最初は慣れていない様子でベッドの上にあぐらをかいて座り、緊張している素振りすら見せていた三田村だが、欲望の高ぶりとともに、和彦の愛撫を受け入れる気になったらしい。

 何度も優しい手つきで髪を梳いてくれていたが、その手が後頭部にかかり、わずかに力が込められる。三田村の求めがわかった和彦は、透明なしずくが滲んだ先端を丹念に舐めてから、ゆっくりと三田村のものを口腔に呑み込んでいく。濡れた粘膜で包み込み、吸引しながら、唇で締め付ける。興奮した三田村のものが、口腔で力強く脈打つ。和彦はゆっくりと頭を上下させながら、三田村の欲望を愛してやる。

 部屋に移動するまでの間に、抱えた秘密はすべて三田村に話した。中嶋に頼まれて、秦の怪我の手当てをしたこと。そのときキスをされたのに、また部屋に出かけて、今度は体を重ねそうになったこと。どうしてそうなったのか、会話の流れも正直に話した。

 自分の中で都合よく出来事を継ぎ接ぎするより、すべてを三田村――そして賢吾へと伝えて、客観的に判断されるほうが正確だ。和彦にはわからない事実が、〈怖い男たち〉には見えているかもしれない。

 和彦は口腔深くまで三田村のものを呑み込み、ただ舌を添えて動きを止める。三田村が深い吐息を洩らし、その反応に胸が疼かされる。すると、あごの下をくすぐられ、頬に手がかかった。

「先生、もう――……」

 ようやく顔を上げた和彦は腕を掴まれ、やや性急にベッドに押し付けられる。先に情熱的な愛撫を与えられて解された内奥に、再び三田村の指が挿入された。

「あうっ」

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