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第148話

Author: 玉井べに
30分後。

元々きれいに整理されていた社長室がめちゃくちゃになっていた。

凌と律が床に倒れ、せっかくのハンサムな顔に傷がついてしまった。

律が先に床から起き上がり、服を整えてから凌を見下ろした。

「凌、言い方はきついが、夕星と一生を共にしたいなら、自分の性格と価値観を改めるべきだ」

「彼女が必要としているのは愛する人からの尊重であって、傷つけられることではないからな」

「安輝のことについては、あなたが同意すれば、これであなたへの借りができる。嫌なら無理強いはしないが」

言うべきことを言い終えると、凌は大股で去っていった。

他の従業員は急いで仕事をしているふりをした。

物音があまりにも大きかったため、みんな気にせずにはいられなかったのだ。

半開きのドアからは、普段威張り散らしている社長が床に倒れている姿が見える……

「みんなクビになりたいのか?」秀太が低い声でみんなに向かって言い、ドアを閉めに行った。

凌は天井を見つめ続けた。

頭の中は、律に言われたことでいっぱいだった。

あなたは人を正しく愛する方法を知らない……

無理強いはしない……

しかし、愛することに正しいも間違いもない。

凌はあえて無理強いするつもりだ。

10分ほど横たわった後、凌は床から起き上がり、秀太にオフィスの掃除を手配させた。

自分は、車の鍵を取りに出ていった。

秀太が後ろから小声で報告した「今日奥様がお会いされた人物は、穂谷さんが手配したチンピラです」

目的は、夕星を辱めること。

当初はチンピラにお金持ちのふりをさせて夕星を誘惑させる予定だったが、正邦が突然考えを変え、珠希は不意を突かれ、急遽チンピラを出したのだ。

秀太は今の凌の意向を測りかね、ただ尋ねた。「どう対応なさいますか?」

対応?

凌は冷笑した。「秀太、お前は暇なのか?自分に関係ないことまで口を出すつもりか?異動させようか?」

秀太は慌てて謝罪した。「申し訳ありませんでした」

その後、秀太は夕星の話を二度と出さなかった。

凌は友人の集まりに出かけに行った。

凌は機嫌が悪く、終始冷たい表情で隅に座っていた。

珠希が到着すると、彼女はすぐさま凌の隣に座った。

両家は縁組を考えており、二人の関係は公然の秘密となっている。

「お似合いな二人だな」「早く一緒にくっつくべきだ」とヒソヒソ
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