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第195話

Penulis: 玉井べに
凌はやはり子供が好きなんだ。

彰は眉をひそめ、珠希に声をかけた。「行くぞ」

雲和は唇を噛み、勇気を出して言った。「彰、私が送ってくわ」

雲和と彰はみっともなく別れてしまった。

だが今、雲和は進んで頭を下げた。

珠希は雲和の腕を抱き、彼女を彰の方へ押しやった。「お兄ちゃん、雲和が話があるみたいよ」

雲和は顔を赤らめ、目を伏せて、何か言いたげで黙り込んだ。

彰はタバコをくわえながら言った。「今日はお葬式に参列しにきた。話は次にしよう」

雲和の顔から血の気が引いた。

彰は珠希をぐいと引き寄せ、引きずるように連れて行った。

雲和は泣きそうになりながら、彰が自分を許していないと悟った。

北上市の別荘に戻る道中、安輝は不思議そうにキョロキョロあたりを見回していた。

凌は辛抱強く、安輝が転びそうになるたびに、その小さな体を支えてやった。

そして、美鈴にぶつからないよう注意した。お腹には赤ちゃんがいるからだ。

安輝はおとなしく座り、美鈴のお腹をじっと見つめ、真剣に宣言した。

「僕、妹が好きなんだ」

「妹が欲しいな」

「ママ、妹が欲しいな」

安輝は遊び相手が欲しかった。

美鈴は胸が苦しくなり、安輝のほっぺたをつねりながら聞いた。「どうして妹が欲しいの?」

安輝は迷わず答えた。「妹が好きなの。これからも僕が妹を守るから」

安輝はいつも守られる側にいるから、男としてみんなを守りたかった。

凌は思わず安輝の頭を撫でた。

彼はどうやら、もうこのガキをそんなに嫌っていないようだ。

美鈴は安輝の頬にキスをした。こんな子を誰が愛さずにいられようか。

一行は北上市の別荘に戻った。

秀太は早々にお手伝いさんに指示を出し、おもちゃやお菓子も準備させていた。

だが、安輝はあまり気に入らなかったようだ。

彼は美鈴の隣に座り、懸命に真面目な顔を作っていた。

「僕がママを守るよ」

美鈴は可笑しくて笑ったが、同時に感動もした。

凌は隙を見て言った。「ママは今休みが必要なんだ。安輝はママと一緒にお昼寝でもする?」

安輝はすぐに頷いた。

「ママも妹も休まなきゃね」

美鈴は凌を見た。彼のこうしたわざとらしい言動が気に入らなかった。

凌は見て見ぬふりをし、お手伝いさんに安輝を洗面に連れて行かせた。

安輝がいなくなると、美鈴はすぐに表情を険しくした。

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