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第76話

Author: ドドポ
今回、澪は洵の顔に笑みを見たが、それは嘲笑に満ちたものだった。

「お爺さんの機嫌を取るつもりなんて……」

「じゃあ、あのヴァイオリンは、お前が贈ったものじゃないとでも?」

「それは……」

澪の手首を、洵が乱暴に掴んだ。

「あのヴァイオリンは安く見積もっても数十億円はする。澪、その金はどこから出た? まだ俺に隠していることがあるんじゃないのか?」

手首が砕けそうなほど強く握り締められ、澪は痛みに顔を歪めた。シートベルトをしているため、身動きが取れず抵抗もままならない。

「洵、痛い……」

澪がその手を振りほどく前に、洵はシートベルトを外し、身体ごと覆いかぶさってきた。

毒蛇が舌を出すような低音が、澪の耳元を舐める。

「もっと痛くしてやることもできるんだぞ。試してみるか?」

澪は慌てて抵抗したが、暴れれば暴れるほど、洵の制圧は粗暴になった。

彼がまた何をトチ狂ったのか、澪には理解できなかった。

二人は狭い車内で揉み合い、互いに一歩も譲らない。

澪は洵の唇を噛み破り、自分の口の中にも鉄錆のような血の味が広がった。

その時、耳をつんざくようなクラクションが二人の争い
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