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第35話

Auteur: 炭酸が抜けたコーラ
不動産屋を出た二人は、通り沿いのカフェに入った。心愛の胸に長くのしかかっていた重荷が、ようやく半分ほど軽くなった気がした。

「清夏……」心愛は顔を上げ、向かいに座る親友を懇願するような目で見つめた。「俊輔の件……本当に、もう打つ手はないのかな?」

その問いに、清夏もぐっと眉を寄せた。わずかに身を乗り出し、声を潜める。「心愛、正直に言うわね。ツテを使って探りを入れたし、判決文の内容も把握している」

一拍置いて、低く続けた。「……かなり厳しいわ。

宇佐美が唯一の目撃者で、彼の証言は俊輔に決定的に不利。それに……葵が当時、俊輔の弁護士でありながら、法廷でわざと手を抜いた。裁判官に、俊輔が犯人だと確信させるようにね。もう判決は確定している。これを覆すには、よほどのことがないと……」

「よほどのことって、何?」心愛はすがるように問い詰めた。

「新しい証拠を見つけることよ。たとえば、宇佐美が偽証した証拠か、現場に第三者がいて俊輔が嵌められたことを証明できる誰かを見つけるか」

清夏は小さく息を吐いた。

「でも、あんな混乱した状況で、今さらどこでそんなものを見つけるの?」

あのバーの
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    彼はしばらく沈黙し、最後はただ頷いた。「分かっています」「分かっているならいい」正国は言った。二人の間に、また数秒の静寂が降りた。貴臣は顔を上げ、込み上げてくる感情をどうにか押し殺し、努めて平坦な声を出した。「正国さん、静香さんには、あまり心配しないようにと伝えてください。今夜のことは俺が責任を持ちます。今後の検査も、お医者様の手配も、看護も、すべて俺がしっかり見ますから」正国は彼を見つめたまま、すぐには答えなかった。貴臣はさらに続けた。「あの子が最終的に加賀見家へ帰るかどうかにかかわらず、少なくとも今、病院にいる間は、俺はそばを離れません」その言葉には、確かな重みがあった。ただの意志表明というよりは、すでに彼の中で固く決意しているかのようだった。正国はそれを聞き終えると、低く相槌を打った。「そのつもりなら、いい。だが心配するかどうかは、お前の一言であいつが安心できるようなもんじゃない。あいつは母親なんだ。娘があの中で横たわっているのに、どうして心安らかでいられる」貴臣は口元を微かに動かしたが、結局それ以上は何も言わず、ただ低く応じた。「はい」正国は彼のそんな様子を見て、胸の内で理解していた。この若者が、心底辛い思いをしていることを。決して装っているわけでも、自分たちの前で芝居をしているわけでもない。だが、辛いからといって、すべてが水に流せるわけではない。今夜起きた出来事を、誰も見なかったことにはできないのだ。そう思うと、正国は彼の肩をポンと叩いた。その手つきは決して強くはなかった。「先にあの子についていてやれ。俺は静香の様子を見てくる」そう言い残すと、彼はそれ以上とどまることなく、きびすを返してエレベーターホールへと歩き出した。貴臣はその場に立ち尽くし、次第に遠ざかっていく彼の背中を見送った。廊下の照明が床に落ち、影を長く伸ばしている。彼は数秒間立ち止まっていたが、喉の奥に何かがつかえているようで、飲み込むことも吐き出すこともできなかった。結局、彼はただ振り返って病室のドアを見つめた。その眼差しは少しずつ深く沈み込み、そして少しずつ柔らかさを帯びていった。エレベーターのドアが開いては閉まる。地下駐車場の照明は薄暗く、辺りは静まり返っていた。時折、車のドアが閉まる音が遠く

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