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第206話

Author: タロイモ団子
崇は車椅子を支えに、ゆっくりと立ち上がった。

「紬、何か不満があるなら、遠慮なくおじいさんに言いなさい。離婚は些細なことではない。遊びじゃないんだから、そう簡単に離婚など口にするものではないよ」

その声には厳格さが宿り、上位者特有の威圧感が瞬く間に周囲を支配した。

紬は祖父を支えながら、何事かを思案している様子だった。

崇は二人の子供たちに目配せをする。

悠真は泣きながら再び紬のもとへ駆け寄った。

「ママ、僕を捨てないで。パパのことも捨てないで。お願いだから離婚しないで。ママがいなきゃダメなんだ」

芽依も、先ほどまでの呆然とした状態からようやく我に返った。崇の放つ威圧的な視線を受けると、すぐに悠真に続いて泣き出した。

「ママ、会いたかった。ママがパパと離婚しちゃったら、私たちの家がなくなっちゃう」

紬が姿を消して以来、成哉の情緒は不安定になっていた。

以前の紬は口数こそ少なかったが、少なくとも子供たちと話すときは優しかった。しかし今の芽依と悠真は、成哉と目を合わせることすら怖くてできない。

紬が死んだと思われていた期間、二人の子供は、紬がこの家にとっていかに重要な
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