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6.社内監査

Auteur: satomi
last update Date de publication: 2025-11-02 07:41:05

「この支出はなんだ?30万も交際費で落とせると思ったのか?横領か?」

「交際費です」

「いつ、どこに、誰と?正式に領収書があるんだろうな?」

「あ、領収書の写真をスマホで撮ってあるので、自分のスマホを取ってきます!」

「朔夜、後をつけろ。尾行だ。あいつはこのまま社からも出かねない」

「御意」

 朔夜に尾行させて、俺は一息ついた。全く、犯罪を犯すならツメが甘すぎる。

 朔夜から連絡が入った。横領疑惑の男が藤宮コーポレーションに入ったとのことだ。

 どうすっかなー。30万の横領くらいじゃ藤宮はなんともないだろう。朔夜には帰ってきてもらおう。

 藤宮は逆にうちに路頭に迷ってほしいんだよな。ってことは、30万を隠れ蓑にして億単位で金が動いている可能性も無きにしも非ずだ。

 俺、自らが我が社の金を検査しよう。

 その日は徹夜となった。横領の男が証拠をバッチリと残しているわけではないが、確かに社の金勘定が甘く少し(数万円)ずつ、何年にもわたって減っていた。塵ツモというやつか?何千万という金を抜き取っていたようだ。

 俺がCEOになってからは額が増量している。俺は舐められたのか?腹立たしい。しかし
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  • 重要書類を盗んで離婚?馬鹿にするなよ!   9.最終話

     数か月後、本当に久しぶりに母に会った。「貴方、随分働いているみたいね」「まあ、腐ってもCEOですから。やはり母によろしくという方が多くいましたよ」 藤宮瑠理香とか。 その後、やはり長井商事は倒産した。俺の勝利だな。「長井商事に何かしたんでしょ?私はワザと泳がせてたのよ?」「アレに何かあったのですか?」「アレはアレなりに役に立つのよ。まあ、色々とね」「取引先の方の評判は軒並み悪かったですよ?」「まあそれは帝王学を学んでいない元・窓際族が社長をしてるんだものそうでしょうね」 母は厳しいなぁ。「貴方は間違っても女性関係でトラブルなんか起こさないでしょ?」「そうですね。何度か明らかに『ハニートラップだろ?』っていうのには遭遇しましたけど、遭遇しただけですね」「恋愛結婚が理想的なんだけど、お見合いをセッティングしましょうか?」「くだらない名家のお嬢さんとか嫌ですよ?」「そうよね。前にパーティーで会った方は?」「あぁ、あの日本語が話せないフリをして様子を窺っていたなかなか食えない女性ですか?確か米国の大企業で副社長をしてらっしゃると私は聞いていますが?仕事が恋人ってタイプなのでは?」「ウフフッ、その大企業にちょっと協力してもらったのよ。彼女をあのパーティーに参加させてほしいって。で、貴方と出会うように仕組んだんだけどなぁ」 引退したんだろうか?柊商事の元・CEOってかなりのやり手みたいだなぁ。俺は母親を越えることができるだろうか?「出会いましたが、彼女の方はどのような方なのですか?普段。日本語の話せる女優よ、女優。あの時は大企業の副社長を演じていたのよ」 母さんは一枚上手だなぁ?俺は単純に米国の大企業と繋がりができたと内心かなり喜んでたんだけどなぁ。「あの方ならお見合いOKですよ。話をしていて面白かったですし、あの老害の中でリラックスできた」「それじゃあ、さっそく朔夜にお見合いをセッティングしてもらって、再会をするといいわよ」 そんなわけで、俺は母さんに嵌められた(?)のか?再び彼女と会うこととなり、その後とんとん拍子に結婚することとなった。 彼女は女優業との二足の草鞋を履くことになったわけだけど、それでもなんとかするつもりらしい。 俺と彼女は睦まじく生活をしています。 母さんに「孫~!」と言われるけど、彼女の職業もあるの

  • 重要書類を盗んで離婚?馬鹿にするなよ!   8.俺からのお礼②

     そのほかの取引先も柊商事と契約をした。 長井商事とは今後取引をしたくないと取引先が軒並み取引を止めている。 長井商事の噂を流しているのは、もちろん俺。実行しているのは朔夜。 おかげで新社会人で長井商事を目指している大学生は0。再就職者も長井商事を避けている。長井商事は今後潰れるんじゃないかとの危機感から再就職者はいないし、新社会人も就職を目指さない。 結果、次の年度長井商事の新人の数は0となった。 このことで、長井商事の株価は下落。あまりの下げ幅に市場側がストップをかけた。 長井優はどうしてこんなことになったんだろう?と考えていることだろう。 全てはあんたが母さんを裏切ったことが原因。 俺は長井商事に出向いてやった。 受付嬢に「柊商事のCEOが話があると来ている」と伝えるように頼むと、「アポイントメントの無い方は社長と会うことはできません」と断ってきた。「名前は何て言うんだ?うちの系列の会社に再就職を斡旋しても構わない」 と、受付嬢に言うとアッサリと長井優に会う事ができた。  忙しいわけじゃないんだな……。ただのポーズか。 ちなみに、受付嬢に言ったことには続きがあって「構わないと思ったり思わなかったり?」だ。 アッサリと人を信用しない方がいい。 受付なんて重要なところにいるのだから。 会社の顔とか言われるが、それ以上に変な客を通して社長に怒られる可能性だってある。 俺は変な客じゃないけど。 「長井商事へようこそ。久しぶりの本社ビルはどうかな?」「まあまあですね。長井優さん、貴方は俺の名前がカタカナでジョージだから母が外国の方と浮気をしていたのでは?と疑っていましたね?俺は純日本人ですよ。母は浮気なんてしていません。俺の父親の名前は‘長井優’。不本意ですが、貴方です。貴方は母が妊娠していることも知らずに、母が持ち出した書類をさらに盗み出し、その情報を元にして起業しましたね?」「えっ?情報量が多過ぎる。君が俺の子?」「そんなことはどうでもいいのです。どちらかというと、茨戸商事の社長のような方が父親であってほしかったが、事実は仕方ないです。この20年以上、どうやって貴方を苦しめるかを考えてきました。貴方が大切にしている‘長井商事’はもうすぐ潰れるでしょうね。なにしろ新入社員もいなければ、取引先は軒並み取引を止めている。そし

  • 重要書類を盗んで離婚?馬鹿にするなよ!   7.俺からのお礼①

     さ、スッキリしたところでどんどん長井商事を追い詰めていこう。 まずは…書類を盗んでまで契約した取引だけど、柊商事に乗り換えてもらおう。「茨戸商事さん、この度我が社との取引を考えて頂き誠にありがとうございます」「なになに、昔から貴社のある分野には興味があったんだが、なかなか機会が巡ってこなかったんだよ」「今回、幸いにも機会が巡って来たようで」「前から貴社のCEOは若いが?」「おそらく、記憶にあるのは私の母では?我が社の伝統というか我が家の伝統というか、子供がハタチを超えたあたりから隠居を意識するんですよ。母は今どこにいるんだろう?ゆっくりと隠居生活を楽しんでいますよ」「では、ご両親が不在ということかな?」「いいえ、私には父がいないので。母は所謂シングルマザーというやつでして、女手一つで私をここまで育てつつ、会社の事もしていたのです」「それはまた。会社のことしかしていない私としては耳が痛いような、肩身が狭くなるような話ですな、はははっ」「祖母も手を貸してくれたので、そんなに苦労もないし、父がいないからと言って私自身に何か不幸なことがあったかというとそうでもないんですよ」「家庭の内部の話などすまんな。仕事の話に戻ろうか。この分野で力があるのは貴社だと思っている。それも大分前から」「恐れ入ります」「よってこの契約は願ったり叶ったりだ。こちらこそよろしく頼むよ。同じ分野で契約していた会社はどうも振るわなくてなぁ。いや、愚痴るべきではないか」「確かにそのような噂ですね。うちとの契約を機に、あちらとの契約を破棄してはいかがでしょうか?破棄するのが不可能なのでしょうか?そのような契約を?」「いや、そんな契約はしていない。そうだな。我が社としても、損をすると分かっている会社にこれ以上の投資はできない!」 よし!書類を盗むことで手にした契約を奪った。そして、投資を止めるという言質ももらった。「本日はわざわざ足を運んでいただきありがとうございました。本来ならば、こちらから伺うべきところを…」「なになに、今後はビジネスパートナーだ。水臭い。私達は年齢差が親子ほどもあるが、それはそれだ」「そうですね。今後ともよろしくお願いいたします!」 俺は腰を90度折った。 体を起こすと握手を求められていた。「貴殿は謙虚すぎるなぁ。『仕事ができる若者』として

  • 重要書類を盗んで離婚?馬鹿にするなよ!   6.社内監査

    「この支出はなんだ?30万も交際費で落とせると思ったのか?横領か?」「交際費です」「いつ、どこに、誰と?正式に領収書があるんだろうな?」「あ、領収書の写真をスマホで撮ってあるので、自分のスマホを取ってきます!」「朔夜、後をつけろ。尾行だ。あいつはこのまま社からも出かねない」「御意」 朔夜に尾行させて、俺は一息ついた。全く、犯罪を犯すならツメが甘すぎる。 朔夜から連絡が入った。横領疑惑の男が藤宮コーポレーションに入ったとのことだ。 どうすっかなー。30万の横領くらいじゃ藤宮はなんともないだろう。朔夜には帰ってきてもらおう。 藤宮は逆にうちに路頭に迷ってほしいんだよな。ってことは、30万を隠れ蓑にして億単位で金が動いている可能性も無きにしも非ずだ。 俺、自らが我が社の金を検査しよう。 その日は徹夜となった。横領の男が証拠をバッチリと残しているわけではないが、確かに社の金勘定が甘く少し(数万円)ずつ、何年にもわたって減っていた。塵ツモというやつか?何千万という金を抜き取っていたようだ。 俺がCEOになってからは額が増量している。俺は舐められたのか?腹立たしい。しかし数百万は俺がCEOになってからの被害だな。はぁ。 横領の男は毎月給料とは別に社の金をポケットに入れてたわけだな。うん。これはかなり大きな犯罪として警察沙汰にする。 藤宮が方法などを指南したのだろう。そっちもなんとかしたいのだが、この程度の犯罪ならば金で解決されてしまうだろう。 とにかく警察沙汰だね。 30万の横領で足がついた男はアッサリと警察に捕まった。 犯行の動機は「側に大金があったので、ちょっとくらいいいかなぁ?というのが常態化してしまった」である。 突然30万円使った理由は、「ローンを返さないといけなかったので、まとまった金が必要だった」である。 それまで毎月貯めていれば問題なかったのに、見栄を張って自分の給料と家族には言っていたようだ。しかしながら、それも終わり。警察にお世話になった人とは離婚をすると言って奥さんとは離婚をすることになったようだ。自業自得。お子さんも奥さんと生活をするようで、年に1回面会できるかな?くらいになった。 もちろん退職金なく、クビ。 男は藤宮との関係も警察に話したようだが、藤宮は警察とこの件について金で解決しているので、男の供述は特に

  • 重要書類を盗んで離婚?馬鹿にするなよ!   5.藤宮瑠理香登場

     小者だ…。 俺が血の上での父親に初めて会って思った感想。 藤宮瑠理香ももう支援してないんじゃないかな?ますますもって長井商事は長く持たなそうだ。 書類の盗難をしておいて寿命が短すぎる。 実力もないのに、この世界(社のトップが集まる世界)に足を踏み入れるからだなぁ。 あの書類、一部は藤宮瑠理香も利用してそうだな。あっちはうまく利用してそうだ。藤宮コーポレーションじゃあの書類の企業とうまく付き合っているみたいだな。「あら、柊商事の息子さん?今はCEOでしたっけ?」 心で思ってただけなのに本人登場。藤宮瑠理香。「はいそうですよ。藤宮るり子さんでしたっけ?ちょっと物覚えが悪くって…」 嘘。ワザとに間違えてあげました。ちょっとしたミスなのに、顔を赤くしてまあまあプライドがお高い。エベレスト級じゃないか?「藤宮瑠理香ですよ。覚えて下さいね。えーっと柊ジョージさんでしたよね?逆に私は顔と名前を一致させるのが得意なんです」 いや、自慢されても……。営業の仕事をしてる人は皆そうだと思う。「何か御用で?」「お母様は健在かしら?」 ああ、そんなにストーカーみたいにライバル視しなくてもいいのに。「僕にCEOを譲ってさっさと悠々自適な生活してますよ。いい気なもんですよね」「あらあら、そんなに早くに引退なさったの?ご病気ではないかと心配したのよ?」 そうですね。確か藤宮瑠理香の名前で嫌味にも仏花がたくさん届きましたね。「祖母もそうですし、我が家の伝統みたいなものではないですか?」「ところで、あなたのお父様は?」 そこにいる男なんだけど……。「聞いていませんよ。母が女手一つで育ててくれましたから。ああ、祖母も手伝ってくれましたけどね」「……そうなの。まあ、いいわ。お母様によろしくね」 そう言われても、なかなか会わないんだよな。年に数回? さて、こんなくだらないパーティーから帰って書類でも片付けよう。「お帰りをお待ちしたおりました。必ずや今日のうちにお戻りになると思っていたので」 この有能な秘書は一条朔夜。名前の通りに暗い。しかし、有能。母の代からこの会社の秘書をしている。「書類は待ってはくれません。さあ、どんどん片付けて下さい」 容赦がない。「ん?これ……誰だ?この支出をしたのは。こんなバカげた支出あるか?交際費3

  • 重要書類を盗んで離婚?馬鹿にするなよ!   4.一応の父との邂逅

     大国の大企業の副CEO……。なんか強そうだ。 俺も先祖代々の会社のCEOだけど、日本みたいなちっちゃい国のだしな。  老害たちは顔を真っ赤にして彼女のところから蜘蛛の子を散らすように去って行った。まぁ、英会話できないし…あ、必要ないのか。彼女、日本語が堪能みたいだし。「日本語はどこで習ったのですか?」「ああ、近所に日本人のハーフの友達がいて、その子かなぁ?」 国のレベルが違う。うちの近所……せいぜい方言を話す人がいるくらいだ。  あ、あれが‘長井商事’の社長か……。一応血の上での父親だけど、なんの感慨もないな。長井商事の社長も英会話ができないのか?恥ずかしいな。社の中にはいるだろうに。 着てるスーツも既製品のような気がする。ちなみに俺はフルオーダー。 英会話も出来ないのに、彼女の会社と契約を目論んでいたのか?愚かだ。このパーティーのホストも長井商事だし。全く、俺のところに挨拶に来もしない。マナーもなってないな。よくこの20年間会社が生きていたよ。 母さんの慈悲で潰されなかったんだろうな。母さんが本気を出せば、長井商事なんかぷちっと潰れるからなぁ。秒殺だ。 やっと挨拶に来たよ……。はぁ。うちの方が大きい企業だし、さっさと挨拶に来るのがマナーじゃないのか?少なくとも俺なら、大きくて影響力がある順に挨拶するね。舐められてる?「初めまして、長井商事の長井優と申します」「初めまして。柊商事の柊ジョージです」 俺は聞き逃さなかった。『あの女、俺に隠れてコソコソ浮気してたのか?慰謝料も巻き上げれば良かった』 不本意ながら、俺はあんたの子だよ。「今日のパーティーは長井商事さんがホストをしているものだとか?先ほどは騒がしくしてしまって申し訳ありません」 ま、あんたが英会話も出来ないのにVIPで彼女を招待したのが原因だけど?「いやいや、柊商事さんがうまく立ち回ってくださったおかげで上手く収まりましたよ。はははっ」 笑い事じゃねーよ。「ところで、柊商事のCEOさんはどこかのハーフでいらっしゃる?」「いえいえ、純日本人ですよ。先ほどの英会話でしたら、まあこれからの会社のトップならば当たり前のことですね。英会話程度このグローバル社会地球上の半分近くが英会話ができますから。その次がフランス語だったかな?」「あ、貴方もしかして数年前に我が社でイ

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