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第46話

Penulis: 知念夕顔
食材を買い終えると、承平は自主的に買い物袋を提げながら、郁梨の前を歩いた。

郁梨は承平の後ろ姿を見ながら、自分に言い聞かせた。もう胸をときめかせないで、もう深みにはまらないで!

帰り道、承平が自ら切り出した。「普段俺が帰ってこない時、お前は食事を作らないの?」

承平はさっき家で郁梨が言った「帰ってくると聞いていないから料理を作らなかった」という言葉が気になっていた。

郁梨は一瞬呆然とした。承平は自分を気遣っているのか?

二人の関係がこんな状態なのに、わざわざこんなことをしなくても。

郁梨は淡々と答えた。「うん」

承平は眉をひそめた。「どうしてだ!」

承平はこの3年間、ほとんど夕食は接待だったことを思い出した。つまり、自分が帰らないせいで郁梨は夕食をほとんど摂っていなかったのだ。

「別に理由なんてないよ、面倒くさいだけ」

郁梨の返事は相変わらず淡々としていて、取るに足らないようなことに聞こえた。

郁梨は平然と話していたが、承平の心には自分でも気づかなかった罪悪感が湧き上がっていた。

——

家に着くと郁梨エプロンを付け、キッチンで忙しく動き回っていた。

「手伝おうか?」

承平の突然の言葉に、郁梨は可笑しくなった。

「何もできないくせに邪魔しないで、外で待ってて」

承平は自分が邪魔者扱いされたことに気づき、反論しようとしたが、確かに何もできないことを思い出し、今の自分がどれだけバカげたことを言ったか後悔した。

しょんぼりとリビングに座る承平。オープンキッチンだったので、ちょっと首を傾けるだけで郁梨の忙しい姿が見えた。

気がつくと、承平の口元には笑みが浮かんでいた。

——

エビのケチャップ炒め、ピーマンと豚肉の炒め物、スペアリブの辛酢あんかけ、野菜のポタージュ。

郁梨が作ったのは、全て承平の好物ばかりだった。

承平は郁梨に自分の好物を教えたことはない。多分、承平がどの料理をより多く食べるかで判断していたのだろう。

それには細やかな観察力と、相手を気遣う気持ちが必要だ。

承平は、昔の献身的な妻が再び戻ってきたような錯覚に陥った。

郁梨は買い物中気づかなかったが、帰ってみて分かった。自分が作ろうとしているのは全て承平の好物だった。

これは習慣であり、いや、本能と言ってもいい。3年間、承平が夕食で家に帰ってくる度に、郁梨は承平
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