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第1286話

Author: 風羽
宮崎菖蒲の言葉は、宮崎瑛二の痛いところを突いた。

そうだ、藤堂言がいなければ、そもそもこんな交渉はなかった。彼は宮崎菖蒲を相手にすることもなく、宮崎依桜を連れて宮崎菖蒲の行けない場所へ行っただろう。そんな場所で、宮崎菖蒲のような母親は親権を剥奪され、面会すら許されない。

しかし、藤堂言がいる。彼女の家族も仕事もここにある。だから宮崎瑛二は宮崎菖蒲と交渉のテーブルについたのだ。

しかし今、交渉は決裂寸前だ。

きらびやかなシャンデリアの下、宮崎瑛二の目に冷酷な光が宿ったが、宮崎菖蒲は気づかなかった。彼女は宮崎瑛二の顔が好きで、うっとりと見つめ、愛情を隠そうともしなかった。

宮崎瑛二の心は氷のように冷たかったが、表情はやわらげ、「遅い時間になったな。この話はまた今度しよう」と言った。

宮崎菖蒲はまだ話したかったが、プライドがそれを許さなかった。そこで、頷いて、「ええ、待っている」と答えた。

宮崎瑛二は、彼女を見つめる瞳に底知れないものを感じさせた。

宮崎菖蒲は雨の中を去っていった。

宮崎瑛二は窓辺に立ち続け、夜風に吹かれて宮崎菖蒲の香水の匂いが消えるまで、じっとしていた。

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