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第1069話

Author: 桜夏
「社長は昼休憩も取らずに業務に詰められていましたので、おそらく携帯を見る余裕もなかったのかと存じます。

僕の方に繋がりませんでしたのは、本日、業務とは無関係のお問い合わせがあまりに多く殺到しまして……

業務に支障を来さぬよう、一時的に着信制限をかけさせていただいていたためです」

義人はそれを聞くと、すべてを察したように口を開いた。

「皆、蓮司と橘のお嬢さんの……過去のあれこれについて、嗅ぎ回っているんだろう」

大輔は、驚きの色を浮かべた。この水野社長は、随分と内情に詳しいらしい。

彼は相手をエレベーターの方へと促し、歩調を合わせながら答えた。

「はい……ご指摘の通りです」

この時点で、大輔はこの水野社長が蓮司と浅からぬ関係にあることを確信していた。

しかし、二人の間にどのような接点があるのか、見当もつかない。これまで、二人が会っている姿など見たこともなかったからだ。

役員専用エレベーターは、滑らかに最上階へと昇っていく。

大輔は彼を社長室のドアの前まで案内すると、ノックをして扉を開け、告げた。

「社長、湊市の水野家より、水野社長がお見えです」

その声を聞き、蓮
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