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第1370話

Auteur: 桜夏
電話の向こうで、博明は溜息をつき、悲しげな声で言った。「分かった。蓮司が会いたがらないのも分かってる。彼が退院してから、また改めるよ」

もし会話がここで終わっていたら、新井のお爺さんと執事は、息子を想う親心を信じていたかもしれない。

まさに、涙を誘う名演技とはこのことだ。

しかし、博明は話題を変えた。「親父に伝えてくれないか。うちの家族で食事会を開いて、親父を招待したいんだ。悠斗を本社に戻して、勉強させる機会をくれたことに感謝したくてね」

それを聞き、執事の顔色が変わった。心の中で舌打ちする。

……さっきの息子を想う親心は、すべてこの隠し子のための布石だったのか?

執事は、蓮司に同情せずにはいられなかった。

だが、彼に決定権はない。執事は新井のお爺さんを見つめ、判断を仰いだ。

新井のお爺さんはただ手を軽く上げただけで、その老いた顔はさらに冷ややかになっていた。

執事は答えた。「旦那様は最近、若旦那様の件で心を痛めておられ、まだ病院に付き添っておられます。恐らく、お食事会への出席は難しいかと存じます。

博明様ご一家のお気持ちは、旦那様にお伝えいたします。悠斗様が聡明で
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