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第176話

Author: 桜夏
「一度見ただけで、後から出てこないとどうして言い切れる?」

蓮司は食い下がった。

「だったら場所を教えてくれ。そうすれば俺が……」

「新井社長がご心配なら、部下に見張らせる」

聡は彼の言葉を遮った。

蓮司は歯ぎしりした。この柚木聡は、場所を教える気など毛頭ないらしい。

何か別のことを言おうか、あるいはビジネスでの協力を交換条件に持ち出そうとしたが、その前に聡が再び口を開いた。

「他に用がないなら、これで失礼する。柚木家と新井家の縁談については、この話はなかったことにしよう」

「あれは親父が勝手に決めたことだ。俺にその気はなかった」

蓮司は言った。

電話の向こうから、男の嘲るような笑い声が聞こえた。そして、容赦のない言葉が続いた。

「その気がないなら、直接うちに言うべきじゃないのか?結婚証明書をSNSに晒して、一体何を言いたい?わざと遠回しに、嫌味でも言ってるつもりか?

うち、柚木家がおたくの新井家ほどの大企業ではないにしろ、舐められる筋合いはない。そちらに頭を下げてまで縁組をお願いするつもりもない」

蓮司は一瞬言葉に詰まったが、すぐに説明した。

「申し訳ない
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良香
だからお前はクズなんだよ。 暴力を問題解決の手段にしてるから、普段から気に入らないとすぐ殴ろうとするんだよ。 自称高潔男は、写真から住所がバレたらまじ許さねーかんな。
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