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第190話

Auteur: 桜夏
翌日。状況は明らかになり、さらに別の件も判明した。

「旦那様、元若奥様が現在お勤めの会社ですが、若旦那様はすでに会議を開き、買収戦略を決定されたようです」

執事が言った。

「相手の会社の社長に連絡を取ったところ、事実を認め、現在、対抗中とのことです」

新井のお爺さんはそれを聞くと顔を険しくした。まさか蓮司がここまで執拗に、駿の会社を買収しようとまでしているとは思ってもみなかったのだ。

「柚木様とのいざこざについては、少々複雑でございます。旦那様がご推察の通り、若旦那様は昨夜、別のことをなさっておりました」

執事は詳しく説明した。

蓮司が透子を家の玄関先まで追いかけ、無理やり押し入ろうとし、挙句の果てに警察に連行されたと聞くと、彼は怒りのあまり咳き込んだ。

「行け。会社の方へ、買収プロジェクトを中止させろ」

新井のお爺さんは息を切らしながら言った。

「それから、さらに人を増やせ。あやつがまた透子に手を出そうものなら、足をへし折ってしまえ!」

命令を下し、執事が実行に移ると、新井のお爺さんは片手で椅子の肘掛けに寄りかかり、心底疲れ果てていた。

……

午前十時、新井
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