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第537話

Author: 桜夏
濡れたタオル。

理恵が、彼女の手拭きタオルを洗顔用と間違えて使うはずがない。

なのに、どうして今朝はそこまで気づかなかったんだろう?!

じゃあ、一体誰が。運転手、それとも……柚木聡。

心の中で二秒ほど考えて、透子は唇をきゅっと結んだ。

運転手だったらいいな。そっちの方がまだ納得できる。接客の仕事だから、そこまで気が利くのかもしれない。

でも……顔まで拭くって、ちょっと「やりすぎ」じゃない?

相手は男性だよ。異性であることを考えれば、家まで送ってくれるだけで十分なはず。

本来なら、人のこんな親切な行動に対して、透子が余計な「勘繰り」をすべきじゃない。でも、頭に浮かぶのは今朝起きた時の自分の状態だった。

服は脱いでなく、ちゃんと着たままで、下着の肩紐もずれてなかった。だから、何か変なことが起きたはずはない。

ただ、知らない男性がタオルで自分の手や顔を拭いてくれたと思うと、やっぱり……

なんか変な感じがする。

そう考えてると、レストランのある階に着いた。透子が理恵からのメッセージを待ってると、スマホに通知が来たのは……

聡からのメッセージだった。

【もう二度目だな
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