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第883話

Author: 桜夏
いつだって『あなたのため』というもっともらしい口実を掲げ、当たり前のように、自分のものをすべて奪っていった。

里親の件も、そうだ。

院長先生はもともと、あの夫婦に自分を養子として推薦してくれていた。

でも、彼らが施設を訪れたその日、自分は物を盗んだと濡れ衣を着せられたのだ。

自分は必死に弁解し、院長先生も庇ってくれた。

でも、美月が自分のカバンを勝手にひっくり返すと、中から他の子たちのヘアピンやおもちゃが、じゃらじゃらとこぼれ落ちた。

今でもはっきりと覚えている。あの時、美月は、さも自分が正しいとでも言いたげな態度で、こんな「お説教」を口にしたのだ。

「透子、私はあなたの親友よ。だからこそ、あなたが間違った道に進むのを見過ごすわけにはいかないの。

私が先生たちに言ったからって、恨まないでね。本当に、あなたのためを思ってのことなんだから」

まだ十歳そこそこだった自分は、その言葉を聞いて、ただひたすら否定し、説明しようとすることしかできなかった。

でも、その態度は里親候補の夫婦の目には「往生際悪く罪を認めない」と映り、施設の子たちも遠巻きに罵声を浴びせた。

結局、自分
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良香
理恵、すごいよ。親友はやはり貴女だけ。 透子さんを一番に考える貴女だから、美月が透子さんから奪えなかったんだね。 それに仲良く見えたんじゃなくて、仲良く見せてたんだよ。きっと。
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