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第537話

Author: 小春日和
空気がふいに重くなった。その場を和らげようと、中井が口を開いた。「総裁、私が車を出しますので、奥様と先にお帰りになってはいかがでしょうか。奥様はここで手術が終わるのを長いこと待っておられましたから」

「車を出して」

真奈はその場から動かず、じっと立ち尽くしたまま言った。「私は行かないわ」

「奥様、正面には記者が大勢詰めかけています。今ご一緒にお帰りにならないと、写真を撮られて、心ない記事を書かれるかもしれません」

ここまで言えば十分だった。真奈がこのまま残れば、冬城家にとっても自分自身にとっても、間違いなく面倒を招く。何しろ彼女は冬城と復縁したばかりだ。しかも今、彼が入院しているという状況で、二人が別々に帰るとなれば、世間が騒ぎ立てるのは目に見えていた。

「……わかった、一緒に行きましょう」

真奈は無理に抗おうとはせず、三人は連れ立って車に乗り込んだ。やがて車が駐車場を出ると、すぐに外に記者たちの姿が見えた。

冬城の車が通りに出るのを見て、記者たちは一斉に駆け寄り、シャッターの音が立て続けに響いた。

「振り切れ」

「かしこまりました」

中井の運転する車はスピードを上
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良香
司、良いのよ、それで。確かに貴方を育てたのはおばあさまかもしれん。でも育て方に問題あり、だと思うよ。罪は償わせなきゃ。
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