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第835話

Auteur: 小春日和
「福本社長!旦那様がおっしゃっていました。行くべき場所には必ず行かなければなりません。海城に来た目的を忘れないでください……」

秘書の言葉が終わらないうちに、ドアの前でポテトチップスを食べていた若い警備員が腕を引っ張った。「兄ちゃん!俺たちは給料をもらってるんだ、困らせないでくれよ!」

二十五、六歳ほどの警備員は、秘書がどうしても言うことを聞かないのを見て、困ったように福本英明へ視線を向けた。「社長、こいつ言うことを聞きません!」

福本英明は眉をひそめて言った。「今日こいつが帰らないなら、お前がクビだ。どうするかはお前次第だ」

その一言で警備員は一気に奮い立ち、渾身の力を込めて、ついに秘書を引きずり出した。

「兄ちゃん!悪いな!仕事を失うわけにはいかねえんだ!」

「ちょっと……」

秘書はなおも焦って社長室の中を覗き込んだ。「福本社長!福本社長、どうか話を聞いてください……」

福本英明はそのままノイズキャンセリングイヤホンをつけた。「聞かない!クロを出せ!」

ドアの外では大きな黒犬が激しく吠え立て、秘書が反応する間もなく、後ろのボディーガードもろとも新聞社の外へ押し出さ
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