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第 45 話

Auteur: スイカのキノコ
詩音が時計の箱をカバンにしまうのを見て、玲奈は顔には平静を装っていたが、心の奥ではやはりチクリとした痛みを感じていた。

なにせ、あれは彼女が最近ようやく買ったばかりの時計で、高額な値段にしばらく悩んだ末の決断だった。

それでも――将来自分が大きくブレイクできるなら、この程度の出費は当然の投資だと思うしかない。

「そうだわ、何枚か写真があるの。使えるか見てくれる?」

玲奈はスマホのアルバムから数枚の写真をスワイプして見せた。詩音が画面を覗き込むと、それは玲奈と尚吾のツーショット。とはいえ、写っている男性の顔はすべて横顔だった。

「送ってちょうだい」詩音はその空気の読み方に満足し、玲奈が自分の意図
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